天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

人間の本能

2013年12月05日 | 科学
 生命に普遍なのは、自己防衛本能と自己抑制本能。そして同種の別個体間で情報交換し合うクオラムセンシング本能。集団としても抑制が働く仕組みです。密度や温度などを感知して機能します。

 ヒト誕生から700万年、剥片石器を創り出した今から20万年前頃、言葉も創られ抑制遺伝子に変異が起こり、ホモサピエンス(人口は10万人から100万人に)が誕生しました。遺伝子変異を成し遂げたのは、抑制遺伝子がよく発現し強化したもの。チンパンジーとの違いは、あるひとつの抑制遺伝子があるかないか。生命の進化は、抑制の深化。吠えることしかできない獣に対して、言葉を身につけた人間は飛躍的に数を増やしました。

 抑制の手段、方法は種によって違い、人間は基本的に言語の違いで集団が別れています。五感で得る情報よりも言葉で得る情報の方が多いのが人間です。

 生命に最も重要なことは、環境の変化に対応できること。どこまで抑制できるか。そのための自制を促すのがパソレシン。協調性を促すのがオキシトシン。この二つの物質を作ることはヒトのDNAに描かれていますが、伝達される神経回路を作るのはそれぞれの個体であり、その環境です。神経回路は2才頃までに必要最小限に整えられますが、その後も際限なく増え続けます。自ら動き、新しい人と出会い、考えることによって。

 自分を守るか、他を思いやるかを考え実行できるのが人間です。難しいことですが、自制できるもの、待てるものが最強であることを生命の歴史は教えてくれています。
 そして、ここぞという時の行動力。そのバランスとタイミング。それを活かしてここまできました。思うようにならないのは、このような本能に逆らっているからです。考えないからです。本能に逆らっていると、悉く失敗します。うまくやるには、繰り返し繰り返し考えることです。自分を守るストッパーをはずし、遺伝情報を引き出し、目標に向かって一気に駆け上がることです。ゴールをつくらない、敵をつくらないことです。本能に素直になれば、力は際限なく発揮されます。

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