天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

不可能 大橋正春裁判官意見

2013年11月20日 | 不易
 平成23年3月23日の判決より反対意見が減った印象です。方策まで提示して2度目ですから、もう言い様がないのでしょう。情けは人のためならず。修正不可能宣言判決です。

 裁判官大橋正春の反対意見は,次のとおりである。
 私は,多数意見と異なり,平成23年大法廷判決において憲法の投票価値の平等の要求に反する状態に至っているとされた本件選挙区割りについて,憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったものであり,本件区割規定は憲法の規定に違反するに至っていると考えるものであるが,本件においては選挙の違法を宣言するにとどめるべきものと考える。
 本件において選挙を無効とすることによる弊害は大きなものではなく,他方で選挙人の基本的人権である選挙権の制約及びそれに伴って生じている民主的政治過程のゆがみは重大といわざるを得ず,また,立法府による憲法尊重擁護義務の不履行や違憲立法審査権の軽視も著しいものであることに鑑みれば,本件は上記の弊害の観点を理由としていわゆる事情判決の法理を適用すべき事案とはいえない。
 小選挙区制が導入されたこと及び当審の度々の警告にもかかわらず立法府が是正措置をとらずに違憲状態が継続するという現状を考えた場合,今後,当審としては,飽くまで従来の判断枠組みを維持しつつ,具体的事案については是正の実現が事実上不可能であるとしていわゆる事情判決の法理の適用を続けるか,判断枠組みを変え,選挙無効判決に基づく是正の実現を実際上も可能とするのかを選択を迫られる状況に至っているものといえる。私としては,判断枠組みを変えて選挙無効判決の是正の実現の可能性を回復する方向が望ましく,今後の検討課題と考えるものであるが,他方,当審が上記判断枠組みを維持してきたことには十分な合理性があり,また,法的安定性の見地からも軽々しく判断枠組みの変更は行うべきものではないので,現時点ではこれを前提として検討するものである。
 事案の性質上,一部の選挙区についてのみいわゆる事情判決の法理を適用するのは適当ではないので,さきに述べた理由によれば本件に上記の法理を適用するのは適当でないと考えられるものの,選挙無効判決が確定した場合の補充選挙の実施は事実上不可能と考えられるのであり,こうした見地から上記の法理を適用し,本件においては,主文において選挙の違法を宣言するにとどめ,これを無効としないこととするのが相当である。


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