The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

奇術

2007年05月28日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
エリックの建築家としての才能はペルシャでの鏡の迷宮やオペラ座への様々な仕掛けに現れています。


奇術師のイメージを探してみますと・・・。

「ファウスト」を歌うクリスティーヌをさらう場面が思い浮かびます。(私だけかな?汗)





その時突然、場内が真っ暗になった。それはほんの一瞬の出来事で、観客が驚きの声をあげる暇もなく、舞台はまた明るくなった。p252





誘拐は怪人が場内の照明をつけたり消したりしている間の、一種の「瞬間移動術」的な動きの中で繰り広げられます。




この時の照明ですが・・・



当時、電気はまだごく限られた舞台装置や、ベルを鳴らすのに利用されているだけだった。
巨大な劇場全体の照明にも、舞台照明にも、まだガスが使われ、舞台装置を様々に照らし出すのも水素ガスの明かりで、その調節は、たくさん管があるので「オルガン装置」と呼ばれる特殊な機械で行われていた。



と原作に丁寧な説明があります。P325
ですから確実に「ガス灯」が使用されているのです。

説明にあるように管の中を通ってガスは場内のあちこちにある照明器具に供給されるのです。
ですからいくら手元で調節してもガス供給元近くの器具と末端の器具を同時につけたり、消したり・・・というのは構造上難しいのではないかと思います。多少の時間差が生じるのではないかと思われます。
それに2005年映画でも舞台のガス灯に点火する場面がありましたよね。一度消したら火が必要なんでしょう。
正直言うと配管の見取り図があればいいのですが・・・。


ですから一見「瞬間移動術」のような鮮やかな誘拐よりも、照明を自由自在に操った怪人の天才性?の方がよほど優れているのでは・・・と思ったりしています。





そろそろ「プレステージ」公開ですね。19世紀の電気を使った奇術対決が楽しみです。エリックも電気使っていますものね♪ 
例 ペロス・ギレックの墓場
  拷問部屋




写真はオペラ座で買った写真集より   
何なんでしょう?オルガン装置?パイプオルガン?舞台裏のページにあったのですがフランス語で読めません。


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