http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20110813/CK2011081302000120.html?ref=rank
2011年8月13日
放射能に汚染された稲わらを食べた肉用牛の流通問題で、県内で汚染疑いのある稲わらを食べた肉牛の
出荷前検査が12日、各務原市の県保健環境研究所で始まった。ただ、県は暫定規制値(1キロ当たり500
ベクレル以下)を下回った場合、「風評被害の恐れがある」として数値は公表しない方針。数値は全頭検査を
実施している複数の県が公表している中、対照的な非公表の対応に消費者からは不安の声も上がっている。
検査は高山、中津川、郡上市の農家10戸で飼育されている約1100頭が対象。生産者や卸業者、販売店
などでつくる飛騨牛銘柄推進協議会が行い、県が費用の半分(約1200万円)を補助する。
県によると、結果の公表について県と協議会が検討した際、協議会側が具体的な数値は非公表を要望。県
も了承した。今後は500ベクレルを上回った場合に限り、公表。500ベクレル以下の牛は不検出も含めてす
べて同じ扱いで、検査済みのシールが貼られるという。
この日は計7頭を検査。規制値を上回った牛はなく、数値は公表されなかった。
県農政部の酒井田隆朗次長は「数値を公表すれば、規制値以下の放射線が検出された肉が市場で差別
され、無用の混乱を招くおそれがある」と説明。協議会事務局の全農岐阜畜産部の川尻哲男部長も「公表
すると、数字が独り歩きし、風評被害が出ることを懸念している。だが、要望が多ければ、今後、検討したい」
と話した。
一方、すでに全頭検査を実施している群馬県や茨城県は、規制値以下でも、数値と牛の産地をホームペー
ジ公表。群馬県の担当者は「公表しないと消費者から必ず聞かれる。問題なければ結果を隠す必要はない」。
茨城県も「結果を出すことで、逆に安心してもらえるところもある」と話す。ただ、両県とも牛の個体識別番号
は公表していない。
地域の食や子育て問題に取り組む県生活学校連絡協議会の金山富士子代表は「規制値以下でも、より数
値が低い食品を選びたいのが消費者。しっかり示していただく方が安心して購入できる」と話している。
(山本真嗣、竹田佳彦、斎藤珠美)
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基準値以下でも出来るだけ汚染の度合いが低い物を買いたいのに、基準値以下は公表しないなんて。他のところでもこんな事をされたら、汚染の強弱が分からなくなってしまいますね。こういうのが「差別」というのですかね。消費者の安全というのはないがしろですし、国の暫定基準値の押し付けだと思うんですけど。