漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 512

2024-09-09 05:31:01 | 貫之集

稲刈りほせる

あさつゆの おくてのいねは いなづまを こふとぬれてや かわかざるらむ

朝露の おくての稲は いなづまを 恋ふとぬれてや かわかざるらむ

 

稲を刈って干す

朝露が置く晩稲の稲は、妻を想って涙する私と同じように、稲妻を恋しがって涙の露に濡れ、乾かずにいるのであろうか。

 

 第二句「おく」は「おく(て)」と「(露が)置く」が掛かり、第三句「いなづま」の「つま」には読み手自身の「妻」の意が掛かっています。