たえずゆく あすかのかはの よどみなば こころあるやと ひとのおもはむ
たえずゆく 飛鳥の川の よどみなば 心あるやと 人の思はむ
よみ人知らず
ある人のいはく、中臣東人が歌なり
飛鳥川が途絶えることなく流れてよどむことがないように、私のあの人への思いも滞ることはないですが、もしそんなことがあったならば、何か訳があるとあの人は思ってくれるでしょうか。
少しわかりづらいので、言葉を足した訳としました。作者との説があるという中臣東人(なかとみ の あずまひと)は、奈良時代前期の貴族で、万葉集に一首が採られています。
ひとりねて たえにしひもを ゆゆしみと せむすべしらに ねのみしぞなく
ひとり寝て 絶えにし紐を ゆゆしみと 為むすべ知らに 音のみしぞ泣く
(万葉集 巻第四 第515番)