漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0730

2021-10-29 19:35:01 | 古今和歌集

めづらしき ひとをみむとや しかもせぬ わがしたひもの とけわたるらむ

めづらしき 人を見むとや しかもせぬ わが下紐の 解けわたるらむ

 

よみ人知らず

 

 長い間逢えなかった人に逢えるということで、ほどこうともしていないのに下紐が幾度もほどけるのだろうか。

 第三句の「しか」は「そのように」の意の副詞で、ここでは下紐がほどけることを指します。「下紐」は腰から下に着用する衣服の紐。0507 でも触れましたが、下紐がほどけることは、いとしい人に逢えることの前兆と信じられていました。