漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0283

2020-08-08 19:26:40 | 古今和歌集

たつたがは もみぢみだれて ながるめり わたらばにしき なかやたえなむ

竜田川 紅葉乱れて 流るめり 渡らば錦 中や絶えなむ

 

よみ人知らず
この歌は、ある人、ならのみかどの御歌なりとなむ申す

 

 竜田川には一面に散り乱れた紅葉が流れていることだろう。そこを渡れば、紅葉でできた錦が途切れてしまうだろうか。

 「ならのみかど」は第51代平城天皇。この歌と同じく、平城天皇の作との説もあるという歌が 0222 に、天皇自身の御製とされる歌が 0090 に採録されています。
 そして、竜田川と言えば紅葉。このあと 0294 に登場する在原業平の歌(百人一首 第17番)は余りにも有名ですね。

 

ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 韓紅に 水くくるとは

 

在原業平