古今和歌集 0091 2020-01-29 19:13:59 | 古今和歌集 はなのいろは かすみにこめて みせずとも かをだにぬすめ はるのやまかぜ花の色は 霞にこめて 見せずとも 香をだにぬすめ 春の山風良岑宗貞 霞が花の色を隠して見せないとしても、春の山風よ、せめて花の香りだけでも盗んできておくれ。 主語が上三句では「霞」、それが下二句では「山風」に変わって、ちょっとちぐはぐな感じですね。 作者の良岑宗貞(よしみねのむねさだ)は、僧正遍昭の俗名です。出家するより前に詠まれたということなのでしょう。