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漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

ピアニスト 横内愛弓さん

2019-11-09 22:47:16 | 雑記

 たまには、ということで古今和歌集とは別の話題。
 今年の始めにも一度ご紹介しましたピアニストの横内愛弓さんですが、今日はコンサートに足を運んできました。



 YouTubeでたくさんの曲を何百回と聞かせていただいていますが、生演奏に接したのは今日が初めて。クラシック音楽の歴史をご自身のトークで辿りながら、その時代時代の代表的な作曲家の作品を演奏するという趣向で、選曲も誰しもがどこかで聞いたことがあるであろうものが中心。クラシック音楽に特別の興味関心がない方でも楽しめる構成でした。

 と、口で言うのは簡単ですが、バロック、古典、ロマン派、印象派、新ロマン派、国民楽派とそれぞれの時代の曲を一回のステージで弾くというのはかなり珍しいですし、おそらく聞いている側が感じるよりはるかに大変なことだろうと思います。

 一つ一つの音符を丁寧に拾い上げるような演奏のやさしい音色は、聞いていてとても癒されます。贅沢なひと時を過ごさせていただきました。 ^^


古今和歌集 0010

2019-11-09 07:00:06 | 古今和歌集

はるやとき はなやおそきと ききわかむ うぐひすだにも なかずもあるかな

春やとき 花や遅きと 聞きわかむ 鶯だにも 鳴かずもあるかな


藤原言直



 春が来たのが早いのか、それとも花が咲くのが遅いのか。鳴き声を聞いてそれを判断しようと思っている鶯さえもまだ鳴かないでいるのだなあ。

「とき」は「疾き」。暦の上ではすでに春が来ているのに、花も咲かず、鶯も鳴かない。もどかしさを覚えながらそれらを待ちわびる気持ち。

 作者の藤原言直は、藤原北家右大臣内麻呂の曽孫。古今和歌集への採録はこの一首だけで、生没年などもはっきりしないようです。