地方の女たち

夜の街で出会った女達と男達

水商売・女の人生

2021-12-08 11:10:12 | 日記

(女の子たちは仮名です)

夜の街は徳島市・高松市・大阪市・堺市・和歌山市で、それらの地を移動した子もいます。

 

美沙・・・

19才で結婚したが、上手く行かず2年後に離婚して自活する為に水商売に・・・

最初の店で知り合った男に猛烈に口説かれて付き合う事になった。その男に嫁は居たのですが、美沙本人も離婚して間もなく結婚をする気が無かったので、その部分の抵抗は通常より少なかったのでしょう。

男は優しく10年近く関係は続いたが・・・10年は長い、本人も30才を越えて自分の人生を考える様になった。

そんな時に結婚を口にする客に口説かれ始めて心が揺れた。毎日が楽しい彼との生活だが結婚できない相手とこのまま続けるか、別れて区切りをつけるかは難しい。

しかし、考えれば考えるほど将来の不安が大きくなり、結婚して安定的な生活を望むようになっていた。結局は長年続いた彼とは別れて結婚する事を選んだ。

しかし、、、

結婚した相手の男は1年も経たないうちに事故で亡くなってしまったんです。しかも事故は加害者でもあり、その費用の支払いに苦労する生活が始まった。お金だけでなく、リハビリに苦しむ被害者の元を毎月尋ねて謝罪を繰り返した。

その美沙の行動を知った時に、直接の加害者じゃないし旦那さんも亡くなっているのに、そこまで妻がしなくても良いのではと思ったりしました。

夜の街では派手なイメージですが、彼女の違う一面を見た、、、

そんな美沙の行動が被害者の気持ちを和らげたのか、一年半後くらいに被害者から「もう来なくて良いよ」と・・・

やっと自由を手にした美沙は、暫くして誰も知らないに地に行き、水商売で働き生活する事になった。

殆どの事情を知る私には話しやすかったのか連絡があった。当時の私の居る所から2時間ほどかかる場所だったが、久しぶりと言うのも有り、美沙が働く店に行った。

独り暮らしをして頑張っていたし、顔は以前と違って活き活きしていた。

「私って、よくよくツキの無い女みたい」と笑って言えるようになっていた。

私は美沙の親の事もあり、地元に帰りたいなら力になるよと言いながら、美沙の元気な顔を見ると、地元に帰る事が正しいのかどうかは解らなかった。

それでも数年後には地元に戻ることになり、昔の知り合いの店で働く事になったが、、、、

なんと、その店も閉店して、、、働く場所が無くなってしまった。

これと言った水商売以外のスキルも無く、いつの間にか中年になってしまった。 まだまだ人生が定まらない。。。

 

涼子・・・

水商売に入ったのは遅く30才の時だった。1年ほど働き、その後は独立した。

店の水商売は順調で、短期間でマンションや収益目的の土地も手に入れた。水商売の成功者とはなったが男運は悪い。

彼女に限らず男運が悪いと言っても、その原因は本人にある場合も多い。

涼子の間違いは妻の居てる男の優しさを自分に対する愛情だと錯覚していた点です。

最初の頃は妻の居てる男は非常に優しいが、その状況に慣れてしまって男は彼女が自分に夢中だと勘違いする。

そりゃあ~、妻が居てても自分の事を好きだと言ってくれるのだから勘違いもしやすい。

ところが少し時間が過ぎれば、彼女の方は責任を持たない薄っぺらい愛情に嫌気がさし、自然と別れが・・・・。

妻の居る男は、女から別れ話をされても揉める事は少ない。相手から言われると、「別れ」に対して自分の責任が少なくて済む。男のズルさが丸出しになります。

このサイクルは早く、1~2年持てばいい方です。涼子の様な性格の女の子は同じことを何度も繰り返します。

そして自分が年齢を重ねてソロソロ人並みに家庭を・・・と思った時に出会うのがクズ男

これは水商売に成功している女の人に多く見られますね。他人から見ればバカな女だ・・・と思うかも知れないけど、クズ男でも耐えられるだけの経済力を身につけていれば、それはそれで幸せな人生かも知れない。

 

志保・・・

この子は本当に結婚したがりの女の子でした。好きな男と出会ってから入籍するのが早い。

子供もすぐに生むし、別れるのも早い。最初に子供を産んだのは18才の時だったそうです。それから私が知る様になってからも2人の男と結婚しました。しかも、それぞれの男の子供を産んでいるんです。

全ての子供を引き取り育てている。自分の母親の協力が有り、出産しては直ぐに夜の街に帰ってきます。

「お前、この町で見かけない時は出産か」と言うと

「そうみたい」と笑いながら「子供が欲しいなら生んであげるよ」と切り返された

 

美穂・・・

この子も離婚して子連れで水商売にと言う典型的なパターンでした。

他の女の子と違ったのは無茶苦茶精神的に荒れていましたねぇ~

毎日の様に深酒で、帰りの道で座り込む姿を何度か見かけました。ある時に近づき話しかけても、まともな返事も出来ない状態で、パンストが道路でこすれて破れていたりしていました。

仕方なく抱え上げてタクシーに乗せ、マンションまで送ったのですが、、、ドアの前に付くと安心したのか倒れてしまって動かない。

冬場の深夜の2時ごろだったので、ドアの前とは言えそのままにしては帰れないので、勝手に彼女のバックから鍵を探してドアを開けて、中に運び入れたんです。

すると、、、急に意識が戻りトイレに駆け込んだ。 トイレからは「ウゥゥゥゥッ」とか苦しんでる声はするのですが、私はどうすれば良いのか迷いましたねぇ~。彼女の家だしそのまま放置して帰っても良いか・・・なんて思いも有ったが、やはり暫くは待ってみようと。 酔ってトイレで戻す時は、なかなかトイレから出られない。それは覚悟していたのでソコソコの時間待っていました。

しかし、余りにも長いのでトイレの近くに行って声をかけたんです。

でも、返事が無い。 大きな声で何度呼び掛けても返事をしないので、トイレの前に行きノックをして「開けるぞぉ」と。それでも返事はないのでドアを開けたら、便座と壁の間に顔を突っ込み寝ていた

引っ張り出してベットまで運んだが、小柄な女の子でも完全に力の抜けた人間は重いですねぇ。

その後ですか?  

相手によってはオオカミなったりしますが、この時は何故か紳士でした。

外から鍵をかけて、翌日に鍵を預かっていると連絡した。

彼女の話では、数日前に別れた亭主が来て子供とお菓子を買いに行くと連れ出したんだけど。その時に外で男の親が車で待っていて、そのまま連れ去ったと言うのです。

もちろん何度も電話で戻してと訴えたが、受け入れられず。逆に相手の親に経済力の差を言われ、子供の為にはこちらで育てると。。。

離婚の後、子供の事でもめる事は多い。離婚原因とその後の子供の養育とは別問題として考える部分もあり、交渉次第でどちらに転ぶかは解らない。そんな状況では気持ちが荒れるのは解るが・・・

そんな事が有って2年後くらいに経った頃に美穂は自分の店を持ちました。流石にその頃は精神的に安定していて、ママさんとして頑張っていましたね。そして、、、子供も取り返していました

 

翔子、、、

三人姉妹の末っ子。姉二人もホステスです。筋金入りの水商売三人姉妹です。

長女28才はクラブのホステス、次女25才はスナックと昼間の仕事の掛け持ち、そして末っ子の三女は18才でクラブのホステスとして働いていました。

上の2人を知っていた流れで三女の翔子が新人ホステスとして働きだした時に、友人とそのクラブに行くようになり、店が終わってからスナックなどに飲みに行くようになった。

スナックで待っていると、深夜の12時前には店が終わってやってくる。

店に入るなり大きな声で「お待たせぇ~

知らない店でも、他に客が居ても平気です。一瞬でスナックは翔子が作る空気になってしまいます。

18才、、、テンションが超高い若い女の子にはかないません。 姉たちに会うたびに「妹がお世話になって・・・」

なんて言われていたけど、私は楽しいので自分が遊んでもらっている感じでした。

ところが、ある日から突然に姿を消してしまった。

夜の街で働く女の子にはままある事なので、その内に帰って来るだろう。帰って来なければ幸せになっているんだと。

そのまま放置していました・・・・。

時が流れ3年ほどした時に翔子の姉から電話があった。

「突然にすみません・・・」から始まった話には驚いた。

夜の街から姿を消した時は結婚したらしく、今は子供も一人居てると。それはそれで良かったのですが、離婚を考える様になり、その後の生活のスタート資金を得る為にソープランドで働くと。

昼間にソープランドに入っていくのをたまたま知り合いが見て知り、妹を呼び出して問いただしたら面接に行ってたらしい。

そして電話があった日に初めて出勤するので、仕事終わりに姉の所で仮眠させて欲しいと連絡があったと。

翔子の住む所とは2時間の距離があった。翔子も自分の住む町でソープ嬢はさすがに出来なかったのだろう。

姉としては止めたいが言う事を聞かないらしくて、その時に私の事を思い出して何とか助けて欲しいと・・。

そんな頼みは簡単な事だと思ったが、それよりこの3年間に翔子に何が有ったのだろうかと、そっちの方が気になった。

夜の街で働く女は3年も有れば結婚・出産・離婚・そして貧乏な生活となるのは残念ながら珍しくないが・・

 

出勤前に偶然を装い翔子に会って話をする事になった。

私の顔を見た翔子は久しぶりなので楽しそうに話が弾んだ。暫くは楽しかった時の話をさせてから、

「事情は姉から聞いたが、これは絶対にダメだ」と急に冷たく強い口調で言った。

私の態度の急変と事情を知られていた事で翔子は黙ってしまった。

沈黙が少し続いたが、私から話しかけることは無い。

すると、、、下を向いたまま泣き出した。

これで少なくとも今日の出勤は無くなったと確信した。

数日後からは姉の紹介で水商売のバイトを始めた。その話を姉から聞き少し安心したが、距離を取っていたのでその後に離婚が成立したかどうかは解らない。

 

女の人が離婚したいと思っても子育て中で無一文の時があり、頭の中は自殺か売春の二択になる場合が有る。

大半の人はそのどちらも選ばないのですが、そこまでに育って来た環境によっては自殺や売春を選んでしまう。

悲しい事だが、昔からその究極の選択を迫られる女の人は後を絶たない。


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