今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

茹で北寄貝で様々に楽しむ炊き込み。

2021年05月16日 | 素材
駅弁の本を読むと、室蘭本線の苫小牧駅(とまこまい駅)や洞爺駅(とうや駅←洞爺湖の「とうや」か・・・)のホッキめし弁当というモノがあると知ってから、なるほど、炊き込みご飯ってもっとシンプルで自由な発想でも良いのではないだろうか?と、
(五目おこわみたいに、何でもかんでも油揚げや根菜類、又は生姜を入れると、どれも似たような味になってしまい、メインの素材の主張をマスキングして勿体ないなーって、結局単品の炊き込みで旬の素材を味わう方向性に私は選択をしているsimpleな方へこだわってみるのもいい)
 いつかやってみたいなーってここ何年か思っていたのだが、遂に他の料理を作らなくて、安く手に入る事が偶々重なった為、恐る恐るやってみた。

先ずは刺身で一食分(より少し少な目に)、食べて

普通は味を付けた汁の中に落とすが・・・
今回は貝だけの出汁を取りたくて多目に残しておいた部分を湯の中へ

というのも大根のツマが付いてきたので・・・
(本当は大根のツマを山葵醤油で食べたかったけれど、マジでグッと我慢をし)

多目の湯に入れて

少し弱火でコトコトやったら

火を切って出汁を抽出(少し長めに)。

別の鍋に出汁をお椀一杯分(蒸発分も入れ)取り分け

大根のツマを入れ

軽く煮たてたら、貝出汁はアタック感が「まあるく、優しい」ので、敢えて旨味も強い秋田の美味しい味噌

北寄貝出汁の味噌汁に。
染みるーーー

で、煮続けると硬くなるので北寄貝を取り出して

一応確認で、そのまま食べると、う~ん、なるほど、そういう感じか・・・

酒を入れ沸騰をしたら
(私は砂糖や味醂等の甘みを加えて糖分があるお米に更に甘みを加えたくはない派なので、甘さがぶつかるから、甘みは入れない)

醤油で味を薄く整え

その汁を先程の貝にかけて漬けて冷ます過程で沁み込ましつつ、出汁も循環抽出。
(一晩置けば薄くても多少は違うじゃろ・・・)

翌日、米を研いでザルにあけ1時間ぐらい別の事をして待つ。
浸水の時は30分~40分
ザルに開ける時は1時間ぐらい
(今回は水滴で味の加減が変わる事を防ぐ為、ザルにあけておいた・・・丁度別件の力作業で1時間が必要だった為、いつもとの違いが解かり易いかな・・・って

出汁を米の分量にして炊く。
出汁を効かせたいから、味は少し薄めにしたんだ、和食の他のおかずって濃いし、ご飯まで濃いと、味が口の中でぶつかるから・・・)

余った汁を再度加熱し

酒と醤油・砂糖で濃く味付けをして

貝を戻し入れサッと煮て、

炊く間、冷ましつつしみ込ませる。

これだけでもよかったが、更に汁だけを、魚の角煮のタレみたいに煮詰め(←あそこまでは煮詰めないけれど)、

焦げるのでかき混ぜながら焦げる手前まで煮詰め

先程少し味を付けた北寄貝を、数枚取り分け、新たに作った濃いタレに付け込みつつ冷ましながら味をしみ込ませる。

炊けたら味が薄めな北寄貝を乗せて20分ぐらい蒸らし
蒸らすって作業はきっと温めの意味もあるのだろうなーって古えの知恵をここで感じた)

かき混ぜて

素材の味を活かした薄味の北寄貝と共に
お茶碗によそい、味を濃くした方の北寄貝を数枚乗せ

2種類の味の北寄貝が乗った「ほっきめし」にしてみた。

もう、尋常な無い美味しさ!!
薬味は針生姜でも作って食べる人が好みの量だけ食べる時にかければいいと思っていたが、それすらも完全に要らないぐらい、これは出汁が浸み込んで、その出汁を前面に出せたモノが出来上がったので、これ以上足すと蛇足の為、そのままで食べた。
(それでも味が薄い人は煮詰めた汁をかけたりすればいいが、そうするとこの今の段階では、なんか既製品的な味になってしまうので、手作りで出来立てはこのままの方が断然美味しい)

因みに、当然全部食べ切れないので、
「炊き込みご飯は炊飯器に入れっぱなしにしないで下さい」と炊飯器の説明書に書いてあった気がしたので、電源を切って蓋を開けたまま冷めたらタッパへ入れ、時期的に野菜室へ入れておいたら

まだ硬くはならないが、やはりアイスと同じで冷たいモノは味を感じにくい為味が濃い方が活きていたから2種類の味にしておいてよかった・・・
温かい時とは全然違うんだ)
あと、山葵を添えてみたら、グレードが格段に上がった印象・・・

今回、多少アクロバチックな作り方だが、

刺身

味噌汁

2種類の北寄貝の味を乗せた「ほっきめし」を作れた。

結構ビビりなので、および腰にならずに、もっと早くやっていればよかったな・・・



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