今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

鰤串

2018年10月25日 | 素材
実家が焼き鳥をやっていたと知っていて、イジワルで「ヤキトリってツマンナイんだよね」と言われた事がある。
勿論、同僚に聞こえない様に物陰でソッと耳にパワハラで・・・。

亡くなった親を馬鹿にされたようで、本来なら殺しても殺したりないぐらいだが、
それで怒っているとキリがないし、怒れば怒る程、相手の思うツボなので、「そうですか」ってニコっとして黙っていた。
(キレたら金属バットでフル・スイングだわ)

それに確かに、鶏だけでなくヤキトンをやっていても、確かにヤキトリの域からは出ていないという事も一理あったからだ。
10年近く関わってきて、仕入れ(←肉屋さんで仕入れた分が足りなくなると、やはり買いに行かないと間に合わない)も、仕込みも、後片付けも、陰で1人でやっていた時があった時でも、その窮屈さは常に感じていた。
ジャンルを選択してしまった事で遠くの未来がシャットダウンされてしまったような感覚・・・。

給与の中から自腹を切ってフォアグラを焼いたり、様々な食材を焼いたけれど、
ヤキトリの看板を掲げている限り、客層がフォアグラなんか頼まない・頼みたくないという手応えが、どの程度嫌なのか?、どの程度無視されるのか?が、肌で身に付くようになる。
それは業種・職種を問わずプロだったら同じように日々の仕事の中で体感として解る様になるのでは無いだろうか?

自分が怒ったらヤバイので怒らないだけだが(←何段階かある)、
ま、普通は大人だったらカラカイ半分で面と向かって物陰で言わないわな・・・
(893やプロレスラー相手だったら絶対言わないのに、キタナイなって・・・)
ま、それが世の中だ。

でも一応、それも意見として、なんとなくは気にして世の中のメニューを観てきた。

そんな中でよく魚の串を焼き鳥屋さんや串揚げ屋さんで観る様になって、
勿論、自分も肉や野菜(←串揚げでは主にレンコンが好きで)を食べに行くから魚串は頼まないのだが、
どうも何年経っても世の中からは無くならない、主流にはならないが、これがあるという事は需要もあるのかもしれない???と考え
(自分が頼まないだけかも?)

安い鰤が2キレあったので、試してみる事にした。

本当は1キレでやりたかったが、脂のある部位(腹身?)やや筋肉質な部位(背身?)刺し方や味が違うか?確認しておきたかった。

やはり筋肉質な方は皮がサクッと剥けたのだが、
同じ様にやって脂身の方は身が破れた・・・

技術の無さをあるのだろうが・・・皮に沿って切ってしまえば良かったかな・・・

他人に出す時に骨があると鰤の骨は太く尖って危険なので、抜こうとしたが想像通りシッカリ入っているのでペティ・ナイフで筋肉を裂いて『骨』を取り出す

もう身は傷だらけ

ただ、串に刺すと(まあ、ある程度は修正の仕方があるのだが←失敗する前に修正出来るようになって初めてスタートラインじゃないかなって?業種・職種を問わず)、それなりに串っぽくなる。

塩をふって焼く。
胡椒やハーブをふりかけて焼いても面白そうだな、好みがあるか?)

先ず最初はそのまま食べてみる事と、挽き茶酢(抹茶酢)があったのでそれを添えて。

そのままだと、う~ん、普通の焼き魚
塩鰤に似ているが、旨味は塩鰤の方がある
(勿論、そのまま塩鰤串にしたら塩辛くて1人では血圧があがってしましそうだが)

挽き茶酢の方は、これが結構合ってワリと表情をガラリと変える事が出来た。
それにカボスをかけてみた方もそれなりにイメージがやや変わった。

もしかしたらソースに、焼き串の楽しみの幅があるかもしれない・・・って。
東松山の辛味噌に付けるヤキトンじゃないけれど
タレではなく酢やソースという所がPOINT!!な気がする)

でも・・・、
・串を刺す仕込が大変なんだよな~(みんな抜いて食べてしまうのに・・・
・寿司に比べ、異常に純利が低い
・加熱して真夏とかシャレにならないほど大変なのに。。。

で、肝心の魚串の方は・・・

うん、あまりお酒を飲まないので10年漬けた梅酒にしたが、合わなくは無いが、少しというか、かなりアダルティーな感じで・・・
ちょっと大衆向きではない感じがした。
(みんなでワイワイ騒いで食べるのもヤキトリや串の醍醐味の1つなので)

割烹や料亭で食べるような味になって、
自分にはちょっと早いかな・・・

※ただ挽き茶酢(抹茶酢)=ソース文化は焼き鳥や串に可能性を感じた。
ツウは塩に回帰していくだろうが、タレだけに縛られずに、ソース文化を経由して塩に辿り着いても、塩への造詣が1段だけでも高くなる様な気がした。

昔、日本最大の食の展示会『フーデックス』(←8ブースの責任者を施工設計計画から後片付けまで)で見付けた、ドイツの塩で焼き鳥を焼いてみたい・・・

オマケ

やはり塩で焼いた魚は白いご飯に乗せると美味しい・・・(間違いないやつだ、これなら子供も魚嫌いが治る?かも?)





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