今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

塩鰤。

2018年02月01日 | 素材
奈良時代から作られてきたという「塩鰤」、3日~10日、はたまた3ヶ月以上塩漬けし上手に発酵させる方や業者の方々も居るが、今回は古い鰤を手に入れたので(アラでも出来るらしいが、今回はリッチに切り身)、1日の塩漬けで
イギリス料理のガモンステーキと同じ感じなんだな。
(ふとイギリス料理屋さんのベーコン焼きはガモンステーキを想定しているのか?とも塩鰤から思った)

漬け

消費期限が「アレ」なので色悪りい~ねやっぱ。
(1切れはその日におかずとして処理した)

キッチンペーパーに大さじ1ぐらいの塩を

魚の切り身ぐらいの広さまで敷き

その上に切り身を置いて、大さじ1の塩を上から

すり込む。

でキッチンペーパーで皮目を下にして包む。
脱水シートなんかも使い易いらしい)

もう1個も。

冷蔵庫に臭いが散るのが嫌なのでビニールに入れ、入り口は輪ゴムで軽く(あまりピチっとしても空気が遮断されて熟成が進まないかな?って、でも一応はキッチリと)

これで丸1日。前日に漬けて翌日には食べられる。
(今回は少し長めの24時間ぐらいか)

今回塩鰤は漬物のくくりに入るのでは?と感じた
何日も長期間漬ける場合は塩で出てきた水気を処理する為にキッチンペーパーを1日毎にほぼ水が出てこなくなるまで取替える。
※塩の量を、今回一切れに大さじ1にしたが、いろいろ調べたら鰤の重さの5%~6%が良さ気らしい。

翌日:調理開始

昆布を水に漬けておき。

鰤に巻いたキッチンペーパーを拡げてみる。
(なんか迫力がある!!昔の料理を作っている~って感じ)

先ずは塩抜き無しで少量試すので、切り身が少し不恰好な方を数枚削いで使う。

残りは水に3秒~6秒ぐらい漬けながら塩を洗い落とす
(目標は3秒、でもそう上手くいかない時もある)
※お酒やお酒を混ぜた水で洗う人もいる(クサミ抜きと長期保存の殺菌用?)

新しいキッチンペーパーで押さえるように拭く。

こうやって(本来なら)保存・熟成し後で使う・・・ただこれ元が古いので火を入れてしまわないと。
(※長期間塩漬けして塩気が強過ぎる場合は、ハムの塩抜きみたいに水に少しだけ長い時間漬けるという手もあるのでそこは臨機応変に対応)

塩抜き無しの塩鰤で、酒肴と、お茶漬け

アルミホイルを適度な大きさに切って

焼き網やグリルに敷いて、その上に塩抜き無しの切り身を乗せて軽く炙る

けっこう早めに火が入るので、裏側も。

そのまま皿に移動させて酒肴に
1枚1枚持つと提供する前に壊れそうだからというのと、この方が提供時間も早いし、無駄な時間と混乱から生じる事故を防げる)。

芋焼酎のお湯割りと日本のウイスキー(ストレート・水割)と共にどのぐらい合うか?試してみた。お湯割りは凄まじく合う!!、ウイスキーは~、なんか両方の角がぶつかるって感じで、やや優しめのまあるい口当たりの酒の方が合うのかも?って。
日本酒を試していないな~、それで天狗舞から始めて菊姫とか八海山まで試したいけれど、ワリとキレがあるから、それとは逆の方向の日本酒が良いのかな~?(ま、この為に買うのも良くないし)、十四代は合うだろうな~(呑んでないな~、十四代)

お茶を入れる。

ご飯に乗せて、上からお茶を注ぐ。恐ろしい美味しさ。こんな美味しいお茶漬け食べたらもう他は食べられないかも(・・・まあ、多分、食べるけれど)
あと、凄く、安土桃山時代後期~江戸時代の味~っという感じがした。

普通のお茶漬けみたいにワサビと共に食したら、まったく合わなかった、やはり上記の酒と同じ様にキレがあり過ぎる素材は塩鰤のトンガリ感と正面衝突するのだ

皮は~薄く切って焼くとカリっとして食べれなくも無いけれど、もしかしたら取った方が良いかも

いやはや、こんなにお茶漬けがあるなんて驚愕の美味しさ!!
(そして山葵が合わないお茶漬けがあるのも驚き・・・好みかもしれないが、私は合わないと思う)

お雑煮

北陸方面には鰤や塩鰤を入れたお雑煮があるという。

更にカタチが悪い方を全部薄切りにして

野菜は何があるかな~?と野菜室を見たら、お雑煮に使えそうなのはニンジンしかなかった・・・
(大根使えなくもないけれど、キャベツはやってやれなくもないけれど、あまり使いたくないな)

ニンジンだけでいっか、ニンジン好きだし)ニンジンを茹でる。
本来、小松菜とシイタケ等を入れるようだ(人に出す時はアレだけれど、無理して買わなくてもいいだろ・・・)。

きっと古来は苦労して井戸や川から汲んできた水熱源が少ないのに沸かしたお湯大切にしたに違いないという理由の下、(横着して)ニンジンを茹でたお湯で鰤を3枚ぐらい軽く茹で(湯通しのちょっと多目ぐらい)

更に(横着して)そのまま餅を茹でる

ダシをお椀一杯分取り分けて。

軽く沸かして火を切ったらオカカをひとつまみ入れ1~2分沈んだら

濾す。

味付けは調べた所・・・、、、
・塩だけの所
・塩と醤油
・醤油とみりん
・醤油と酒
等の組み合わせがあるようだ。
出汁も厳密に言うと、昆布だけ昆布と鰹節鰹節だけなどがあるけれど・・・)
※どれもその地域・家庭によって違いはあるから、厳密に何が正しいという事は無いので

正解が無いのに、いつまで迷っていても答えは出ないから自分はとりあえず醤油少々(←塩鰤に塩気があるから塩味は少々)と

みりん少々(←みりん嫌いなので、みりんって余程うっすら効かせて、上手く使わないと、全部がみりんの味になってしまうぐらい強いんだもの、焼く時も外見の照りだけより味を優先して欲しいのだが人間、つい外見を優先して味わいを損ねてしまう)

沸かしてアクが出るようなら取る(出なかった)。

・ここに塩鰤を入れ7分ぐらい弱火で煮る場合
・器に盛ってから汁をかける場合がある。

だし汁が尋常ではなく美味しく出来たので(なんか過去最高だった、安定していないことはそれも良くないが)、なんか塩鰤で出汁を壊したくなくて、入れなかった(後者の汁を張る方を選択)。

柚子でもあればな~と思ったけれど、あった、冷凍庫に皮だけ削いで保存しておいたんだ!!

ちょっとニンジンが多いが、こんな感じか。

何枚か撮影している間に塩鰤から塩気が出るだろう・・・
う~ん、味は良いと思うんだけれど、少しアタック感が薄かった、やはり塩鰤を汁で7分前後煮る方を選択すべきだったか。
まあ(自分の好み的にだが)それが解っただけでも良い。

お吸い物

残りの出汁を軽く火にかけ、

温まったら塩鰤を投入し5分~6分
(昆布、こんなに要らなかったな・・・高いんだよ、昆布、関東ではPOINTがやや解りヅライし)

塩鰤と共に椀に盛る。おお~、薄めの塩味なのに、日本海~北海の海を思わせるような、なんと荒々しいなんだ!!、ちょっと昆布が多過ぎたな。

これ、柚子はどうなんだろう?、怖いからレンゲに一口

ぺッ、苦味が増す、昆布の苦味(アク?)が際立つというか、柚子の皮の苦味と相乗効果というか、塩のニガリ的な苦味が際立つというか、とても無理、レンゲの中だけに入れておいて良かった
※汁の中で塩鰤から塩気が出てくるので、作り置きはしないように

焼き

とりあえず元から古いので本日中に火を入れておきたいと(まあ塩漬けにした事で多少日持ち期間は延びたかもしれないが、それでも怖いので)、もう1個の塩抜きした切り身をグリルで焼いておく。

すだちが無くて、かぼすが余っていたので(かぼすが、多少腐っていたから見栄が悪いので裏返しに)

先ずは何もかけないで、そのまま食べてみる、おお~、塩を洗い流したとはいえ、結構塩辛いのね(切り身だと固まりだからかな~、塩抜きしていない削ぎ切りの方が絶妙というか、まあ塩を洗い流さないと時間と共に塩気が更にキツクなっていき最後は鮭トバみたいになるらしいから、そうなるとちょっとね・・・)。
かぼす、合う、すだちもきっと合うんだろうな~、塩辛いのにずっと食べれちゃう!!、削ぎ切りではないから、今回塩分を摂取し過ぎだから残さないと危険だ。

後処理

キッチンペーパーに残った塩が勿体無いな~
(でも生の食材を包んだ雑菌があるだろうし

そうだフライパンか何かに出来る限り落して

焼き塩を作れば良いんだ。

こんな感じかな(焼き魚とか同じ魚や魚介類系の料理にはより使い易い、そんな気がする)。~もしかしたらやってはいけないのかもしれないが昔の人々は食べ物を無駄にしなかったハズ、塩の生産者の方々がおられるのだもの

後は今回の片付けだ。

今回、一気にやったから塩分を摂取し過ぎなので、我慢して少し残し明日以降に食べる事にした。

(又、今度は塩抜きした塩鰤のお茶漬けにでもすれば良いだろう)
 ↓
で、塩抜きした場合のお茶漬け
皮は焼けば鰤自身の脂で揚げた様な効果になりパリパリ系だから食べられなくも無いが、少し弾力が強いかな・・・塩気をお茶漬けに出すには良いだろう。自分は焼いた場合は食べてしまうけれど)

う~ん、やはり塩抜きしていない場合の自然なままの塩鰤の方が、水分を吸収していない分、コクというか濃度というか、そういうものが薄まっていない。
そういうものかもな。

 ※水洗いした後に乾燥させる人も居る様だが(←それは新鮮な場合だと思うし)、基本塩漬けしている間が保存期間と考えて(まあ漬ければ漬ける程、塩辛くなるので無理だが)、鮮度を考えてなるべく早く処理した方が良いだろう。冷凍保存も可能だし。

 鰤は最大の出世魚なので古来より武家に好まれ、関東の塩鮭に対し関西では塩鰤だったという。
富山で獲れた鰤は歩荷(ぼっか)の人々によって岐阜や長野など山側の地域や県に運ばれて行ったもという。

オマケ

その後、カマで塩鰤を作ってみようと思った。
(1キレで塩大さじ3の割合にした←切り身の1.5倍)

デカイからキッチンペーパーとラップを結構使うんだなと知って、これは経済的にもあまり良くないしエコでもないと気付いた。

翌日焼いてみたが、骨が邪魔をして塩が中まで浸み込んでいなく、ただの周りが塩辛い鰤の塩焼きという感じだった・・・(不味くは無いけれど失敗)

で、カボスを搾ったら・・・

塩鰤の、塩辛い個性と、酸味の個性がぶつかり過ぎてしまって、これは違うな・・・




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