今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

総合的且つ緻密に心配りされていると感じたミート矢澤のハンバーグ。

2015年11月17日 | 飲食業
少し前に、偶然別件で五反田へ行った時に、ふと思い出して、ミート矢澤へ行ってきた。

最近自分の食べに行きたい趣味の店ではなく、食べる勉強に食べ□グの点数やネットの情報と自分の中の評価が?が続いていたので、半信半疑やションボリしていたのだが、
ミート矢澤は誰が食べても美味しいと思えるんだなと、久しぶりに正直な情報に出会えた気がした。

11:30ぐらいだったが、通りの反対(川沿い)にある列は数人しかいなくて、
店先の座っている列も含めて、15分ぐらいしか待たなかった。

食べに行った時は暑い時期だったので、給水機が置いてあって、熱中症対策がキチンとされていて自分が椅子の列に座れた後、通り側の列の人も汲みに着ていたし大丈夫だろう?という油断が1番危ない、事件が起きてからじゃ遅い・・・やはり12時に近付くにつれ列の人数が増える)、こういう考慮や設置は何か事故が起こる前に行列の店は大切なのかもしれないと改めて考えさせられた。

名古屋の「花火」だったかな、あそこの店も給水機が置いてあったな、あと日傘(雨傘?)があったような(傘は、まあ、場所柄もあるのだろうが)。

巣鴨の「蔦」も駐車場が待つ場所だったので日陰になる屋根があった。

給水機は裏側から


店内に案内されて、箸を見ると、このステンレスの軽い箸、一時外食産業の業界で流行ったよね。軽い鉄の箸は牛肉だから有りだなって。

最初に出てくるサラダは大根多めのサラダでジアスターゼと水分補給も出来るから肉食にも良いのかな。

そして、初めてだし最初は基本の味を味わいたいから何もかかっていない基本の「黒毛和牛100%フレッシュハンバーグ」(サイコロやシャトーブリアンとのセットも食べたかったが、懐事情的に、先ずは基本的なハンバーグだと自分を押し切る!!)。

矢澤は、鉄板が熱い内にソースをかけないで付けて食べるスタイル。
そっか、鉄板が熱い内にソースをかけると、全部がその味になってしまうから、他の店とか、アレ?って肉を食べている感覚が薄れてしまっていたのか、そのソースの味を食べている感覚と混じって、食べた後、肉を食べに行ったのに?という混乱がホンの少しだけ生じていた。
ソースというのは絶対他人が作ったモノで、絶対にその料理・調理人の味と100%一致する人は1人も居ない!!、だから全体をそのソースの味にしてしまうと、自分を誤魔化している事になるんだ。
素材に対しても敬意を払えず失礼だし。

中はオススメのミディアムレアに焼いてくださっていて、まったく冷たくなく、生肉が好きだけど冷たいのは嫌な自分としても、これなら満足。
(たまに牛カツで中が冷たいと「え?」となるじゃん?、牛カツをよく知らないからかもしれないけれど、自分はダメで)
温かいミディアムって良い。

先ずは、ソースを付けず、肉本来の味を楽しむ為に、ハンバーグは塩胡椒を入れたりして粘りを出して結着させるものだし味が付いているから、そのまま食べてみる。
ウマイ!
くれぐれも言うが、前書いた様に、自分はハンバーグがあまり好きではない。その自分がウマイと思うのだから、相当だと思う。

そうそう、日本人が求めるハンバーグの原点って、こういう荒挽な、肉感を味わえる感覚だよなって。
(だからウインナも日本ではワリと荒挽が好まれる訳で、ドイツのホワイトソーセージもあれはアレでフワっとしてマスタードに合って美味しいけれど、この肉を噛み締める感じが素材の良さに自信を感じられる、むしろ、「素材本来」の味を楽しんでくれと訴えかけてきて下さっているような、だから誤魔化しはいらないんだ、正直には誰も敵わない)

勿論、醤油ベースの矢澤特性ソースも、ソース単体で舐めてみたが、美味しいと思う。
(本当に美味しい部類に入るソースだと思う、優しげで)
だが、美味しいものと美味しいものを合わせて、相乗効果を生むか?と言われると、それが人によっては100%そうでないのも、料理の感性が要求される部分なのだ。
ある一定の枠内なら無限の組み合わせがあるのが料理だから、データだけでは計れない、それが料理だ、それをソースで食べる事を強要しない事で計算しながら表現している。

素材へのリスペクトと、料理や調理、本当に美味しいものを知っているからこそ自信を持って提供出来る「食べ方」だなと思った。

勿論、自分の好きな加減でソースに付けて食べられる事も、ご飯を小盛・中盛・大盛と無料で択べるサービスと連動していて、緻密に、指紋の様に1人として100%同じ味覚は居ない様々な味覚を持つ食べる様々な人を想定し味の心配りが考え抜かれているって。

あと、・ジャガイモの素材の甘さと、・ほうれん草のハンバーグを邪魔しないうっすらバター感の様な風味、・肉に火を通し過ぎない為のモヤシを大量に盛って強要させない事、・トマトではなくミニトマトが鉄板で焼かれる事の、他人に焼きトマトを美味しいだろ?って強要しない「もし、よかったら?(焼いても美味しいですよ)」というセンスの良さを感じた。

美味しいものを出しているのに「どうだ?美味しいだろう!!」と恩着せがましく強要しない、バランス感覚が優れているなって。

そして何より働いている人が楽しそうだったのが良かった。
改めて飲食って良いな~って思えた。

味だけで勝負出来るが、それだけじゃないんだよな。



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