2673 データ不正操作、一種の偽装ですね。三菱自動車、とんでもないことになっていますね。どうなってしまうことでしょうか。天下の三菱もか、弥太郎さんが嘆くでしょうね。
偽装と言えが、言えるかもしれないが、私もいろいろなことをやってきた。混ぜ物のことだ。指定された原料やその原料しかなくて、物性が成形に適していない場合に、何かの混ぜ物をして、成型ができるようにする。他人ができない、他社では手に負えない樹脂でも、私なら、出来るというところの理由がそこにあったと思う。作りにくい原料なら、それなりの装置や金型を作り、成型条件、温度や速度など、適性を見つけ出す。それでも、出来ないときには、ほかの原料を使うことはないが、同じ原料でもメーカーが違うとか、グレードが違うものを混ぜることによって、正解しやすくする。滑材や硬化剤を混ぜたりもしてきた。私は、これら原料のことを公表しないし、成型法に関しても特許を申請するようなことはしなかった。
理由は、真似されても、それを、指摘することができないからである。いわゆる、ノウハウだと思っている。秘密事項だと思っている。
こんなことがあった。同じ会社の人で、私がその会社を辞めた後、その混ぜ物について、偽装原料を使っていると指摘し、私がやっていたことを、鬼の首を取ったように、私が悪だとあいて、混ぜ物止めさせた人がいた。現場の私の元部下は、混ぜ物を止めたら、出来ないことが分かっている。それでも、新上司がそういうので、試して見せた。出来なかった。新上司は押出の素人、自分で手を下してやってみることができない。結局、製品ができなくなり、二年以上、納品し、何の問題もなく、先方は満足していた製品の納入が止まってしまったことにびっくり仰天、そして、元々、他社で出来なかったものだから、他社から購入することもできない。新上司、私がノウハウだと思っていることを、混ぜ物は一種類、何%と、客先に打ち明けた。そして、客先は当然、問題ないのでそのままの状態で納品を継続してほしいということになった。
本当は、私の部下たちは、新上司に嘘を言っていた。その混ぜ物だけではなく、もう一種類、混ぜていたことを伝えなかった。知らぬが仏で、ノウハウの全貌は明かさなかった。その後、10年以上その製品は続いているが、全く問題なく、順調に生産、納品、使用されている。
この話に、おまけがある。本社のインドネシア工場担当取締役が、ここの製品はメイドインジャパンとしている。インドネシア産ということは公表しない。だから、カートンボックスの文字や記号は、日本で印刷したように気を付けること、ボールペンやマジックで文字を書き込む場合は、日本人が見本を書き、その通りのスタイルで書くように徹底させた。梱包場所や検査の場所には、大きな文字で、平仮名やカタカナ、アルファベットの活字書きの見本が掲げられていて、そのように書くように練習もさせた。また、植物や昆虫など小さい生き物が紛れ込まないように注意もさせた。
結局、このことは、明らかに産地偽装ということで、客先にはばれ始めていて、その取締りが、そのほかのこともあって、身を引かざるを得なくなり、しっかり、メイド イン インドネシアと明記されるようになり、社員全員がほっとしたということでした。
私を恐れていた、その取締役が送り込んだのが、押出の新上司だったのでした。その会社は今でもインドネシアに有るが、本社が替わっている。そして、当時の新上司もとっくに、どこかへ行ってしまっている。
押出成形というものは、押出成形用の原料がないころから手掛けてきた私にとっては、押出成形に向くような原料になるよう、原料自体に工夫をして、何とか、私でなければできないという製品を作ってきた。50年近く前、66ナイロンに6ナイロンを混ぜてみたり、液体の熱硬化性樹脂を混ぜたり、PCとナイロンを混ぜたりしたこともあった。アロイと言えるかどうか、そのころ、アロイという種類の樹脂は売られていなかった。暫くして、そういう混ぜ物をすると、別の外観や特性が得られるということで、化学的結合をしない別の樹脂同士を混ぜるだけの原料も出回ることにあった。勿論、それは、混ぜ物がなんであるかを公表して売っているのだからそれ自体は問題ないが、私が思うに、それだけではない何かが、各企業にあるはずだと確信している。それが、ノウハウだ。
しかし、三菱自動車の場合は、私がしてきたこと、今もやっていることとは、次元が違う問題だと思う。ノウハウでも何でもない。
LEDチューブランプの試作、PCカバーというよりPC二色パイプです。勿論、インドネシアでは初物です。これにもノウハウがいっぱい詰まっている。色や透明度(ルックス)の調整や二色だが、PCの原料自体も二種類使っている。グレード名やピグメントの種類は、明らかにできない。
ノウハウ 改ざん 偽装