『おくりびと』

2008-10-22 23:40:40 | cinema
久しぶりに映画。ほんとは違う映画を観たかったのだけれど時間があわず、わりと評判のいい『おくりびと』をチネチッタ川崎にて。
ご遺体を納棺するまでのお清めのようなことをする仕事に、ひょんなことから就いてしまった男性の話。からだを清めて死に装束に着替えさせるまでの作業が美しく、まるで茶道とかのお作法を見ているようだった。主役のもっくんが「自分は何を試されているのだろう」と自問するところとか、よかった。そしてやはり、山崎努が秀逸。

もっと泣ける映画かと思っていた。実際、二人となりくらいの人がものすごいすすりあげている声は聞こえていたけれど、わたしはそんなに泣けず。生母の死のときのことも少しは思った。あれは不思議な感覚だったなあ。悲しいという感情があまりリアルではなかった。誰かが泣くと、つられて泣いていた、という感じ。


映画のあと川崎で少し買い物などして、きょうは品川から歩いて明治学院へ。
経済問題という難しい宿題ながら、意外に面白い作品が多かったように思う。わたしは詞書のほうにエネルギーを注ぎ過ぎたかも。でも笑ってもらえてよかった。
終わっていつものように「スカラムッシュ」へ。いつものようなものを飲んで食べる。
I井さんの歌にあったKRUGというシャンパンについてしばし盛り上がる。I井さんの死に水はKRUGでとることに(本人は末期の水にしてほしいらしいが)。

人生最後の晩餐に何を食べたいかと聞かれたら、KRUGと答える、というのもいいかもしれないな。いつか他人のお金で飲んでみたい酒、ということだ。