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2004-12-11 18:00:46 | Weblog
息子の携帯の買い換えで手間どり、「朗読千夜一夜」のリハに遅刻。

今回は半分くらいが初めての朗読ということで、演出に協力をお願いした秋月さんと、会場係をお願いした井口さんとで、会場のセッティングからリハまで順調に進めてくれていた。申し訳ない。

予定通りの開場、開演。

トップバッターは石川美南さん。
彼女の連作力はすでに実証済みなので、その朗読にも大いに期待していた。実際に朗読するのはほぼ初めてというのに驚いたが、なかなか堂々とした朗読。散文と短歌との配分もよかった。
面白かったのは、「……の話」という結句で終わる歌による連作。あえて一連の物語性ではなく、一首一首の物語性を押し出してきたところ。やっぱりみなちゃんはタダモノではないね。脱帽。

二番目は森井良くん。
茶髪にブランドものっぽいスーツ姿。リハのときに瞼のあたりがキラキラしていたので聞いたら付けまつげをつけているとのこと。お化粧もしていたようで、ゲイテイスト満載のキャラ。
家族(ステップファミリーもの)やリストカットといった、なかなか際どいところのテーマを題材とした短歌がなかなか面白かった。小道具に長ねぎを買ってきていたのに使うのを忘れたというので、そのねぎはわたしがもらって帰りました。

三番目は山崎聡子さん。
リハのときに「秋雨」のイントネーションがわからなくなり、「あきさめ?」「あきさめ?」とやっていたのがかわいかった。本番でも間違ったけどね(笑)。山崎さんも散文と短歌の配し方がとてもうまくて、「飼育係」という一連はなかなか名作だった。チャイムの効果音もね。

休憩をはさんで永井祐くん。
「そうだ、京都へ行こう」のテーマ曲(byコルトレーン)をBGMに朗読。特に目立った演出は全くないのだけど、やっぱり作品の良さがにじみ出る朗読。一首を二回ずつ淡々と読むスタイルは穂村さんのにも似ているけれど、最近の若者は、どこかこう禁欲的なのかしらね。もっとはっちゃけた朗読をするひとがひとりくらいいても面白かったのにな。

次は橋元優歩さん。
石川美南さんの批評会での朗読が忘れられなくて、今回は彼女を呼びたかったと言っても過言ではない。独特のねばっこい語り口は、彼女の歌風ともあっているようだ。前回の関西弁の会話体が印象に強すぎて、今回はやや普通に聞こえてしまったけれど、やはり充分に魅力的な朗読だった。こういう子が出て来るから、朗読はまだまだ面白いのだ。

ラストは多田百合香さん。
真っ赤な着物姿で登場し、和紙の巻紙をひろげ、自作の短歌と「道成寺」の謡曲を交互に読んで行く。巻紙を読み終えたと思ったら、今度は帯の裏に続きが貼付けられており、帯をほどきながら読んでいく(このへんで一同どきどき)。帯をほどき終わると着物を脱ぎ、黒いタンクトップとロングスカートになったと思ったら胸のところから三角の紙を取り出してまた続く。なかなか刺激的な演出で、そのウイスパーボイスとともに魅力的な朗読でした。

終わったあと、おまけとしてわたしも「はじめてひととつなぐ手のごと」という一連を読んだのだけれど、Mついさんに言わせると「非常に後味の悪い朗読」だったそうです。なんかかえって逆効果だったかしらね、ごめんなさいね。

打ち上げはいつもの「さくら水産」。会場オーナーの田上さんも加わって盛り上がる。

その勢いでなんだかしらないうちにカラオケボックスを求めて池袋へ。
またしてもムーンライダーズのラインアップに驚喜。
朝まで歌い続けるMついさんとAきづきさんにあきれたことでした(最後はおざけんばかり歌っていたよ)。

しなびた長ねぎを持ち、早朝の池袋駅。PSPに並ぶ行列にはつかず、へろへろで帰宅。