暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

人参全鶏湯

2015-12-26 08:53:18 | 料理
昨夜の料理は、不老長寿のスープ、人参全鶏湯。朝鮮人参と丸鶏のスープです。

クリスマスになると丸鶏を始め沢山のロースト用鶏肉がスーパーの肉売り場に並び始めますが、そんなに各家庭ではクリスマスに鶏料理をするのでしょうか。
何故ローストチキンがクリスマスにつきものなのか分かりません。
わが家は、数週間前に安売りの丸鶏を購入して、その時半身はローストチキンでいただき、残りの半身を冷凍保存しておきましたが、
昨夜はクリスマスなのでそれを料理しようと思案、ローストは前回したので、今回は不老長寿を祈願して、朝鮮人参と丸鶏の薬膳スープ仕立てでいただくことにしました。

冷凍から戻した鶏の半身は、まず十分煮立たててあくを抜いておきます。
山芋の輪切り、クコの実、ニンニク、干しナツメ、そして朝鮮人参を深皿に敷き、その上に茹でた鶏を乗せ、さらに生姜、ネギを鶏の上に、そして塩と紹興酒を振りかけます。
これを無水鍋に入れ、まず2時間ほど蒸しました。
蒸し上がったところで取り敢えず、夜食べる時まで鍋に入れたまま数時間休ませておきました。
食べる前になってキクラゲとナメコを加え、さらに1時間ほど蒸しました。

大変濃厚な得も言われぬ味わいのスープと、とろけるように柔らかい鶏料理が出来上がりました。
これほどのスープ料理は、今まで食べたことがないと思うほど本格的な味で、
入れた具の旨みと香りが渾然と入混じり、中国の現地に行かないと食べられないのでは、と思うほどの中国的味具合です。
これだけ滋味に溢れた濃厚なスープが出来たのは、具から出た水分と湧き上がった蒸気だけを元にしているのと、
鶏肉から滲み出た脂分のおかげなのでしょうね。
もちろん鶏肉の臭みは一切ありません。

西洋料理がローストを中心とした焼き物文化であるのに対し、中華料理は炒めと蒸し料理が中心ですね。
これは主食が、小麦粉とお米の違いから派生したものでしょうか。
粉にしてパンのように焼く料理にせざるを得ない小麦粉と、鍋でそのまま炊くことのできるお米の違いが、食文化の違いを作り上げたもとになったのでしょうか。
また、煮たり蒸したりするのに使う陶器が、中国で大いに発展したことも関係あるのかもしれませんね。

と言うことを想わざるを得ないほど、今回の料理は焼きでは得られない渾然とした複雑な味わいに溢れた料理となりました。

これは蒸し上がった直後。



香り付けの生姜とネギを除いて、



さらに鶏とスープに分けて、



中国料理の発展と軌を一にしてきた中国陶磁器文化に敬意を表して、景徳鎮の青花大皿を使ってみました。