エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

電子ポイント・電子マネーを使うことは省エネになるのか?

2008-10-30 00:06:31 | Weblog
エコポイント3・0、エコマネー2.0は、ケータイ、ICカードなどを媒体とする電子ポイント・電子マネーのITを活用するとしていますが、ITの活用はCO2排出削減にどの程度のインパクトがあるものなのでしょうか?
この点に関する定量的分析なしには、地球環境問題の解決が叫ばれる中でIT利用促進を意義付けることはできません。
90年代以降エレクトロニクス機器のIT化は急速に進展しており、組み込まれているソフトウェアの量は、ソースコードのステップ数で、自動車が500万~1000万行、携帯電話で500万行に達しています。500万行というと、1980年代半ばの金融機関のシステムに匹敵します。
従来IT化とCO2排出に関する定量的分析はなかったのですが、この10月14日「グリーンIT推進協議会」(2008年2月設立)においてはじめて、経済産業省の分析が公表されました。
それによると、IT化による社会の省エネ効果は2025年時点で4,900億kWHに達します。他方、2025年時点でのIT機器の消費電力は1,000億kWH強であるため、IT機器自身が消費する電力よりも、IT機器によって得られる社会の省エネ効果のほうがはるかに大きいことが示されています。具体例としては、役所が電子申請システムを導入することで電力を85%、自動車がITS車載ステーションを導入することでCO2を19%削減、企業が電子会議システムを導入することでCO2を79%削減できると予測されています。
家電や照明などのエレクトロニクス機器における省エネへのITの貢献度も高いとされています。家庭の消費電力は、エアコン(25.2%)、冷蔵庫(16.1%)、照明器具(16.1%)、テレビ(9.9%)で全体の7割を占めますが、ここで2010年に145億kWHの削減、2025年に457億kWHの削減が見込まれています。削減額のうちITによる貢献度は、30%程度です。

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