エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

地球環境税に対する疑問

2010-04-16 21:30:22 | Weblog
 3月12日に国会に提出された温暖化対策基本法案に中には、地球環境税の導入を検討するという条文が盛り込まれていますが、東京大学大学院経済学研究科井堀利宏教授は、地球環境税に対して、次のような疑問を呈します(週刊ダイアモンド2009年12月19日号「環境税なくともCO2抑制や削減推進は可能 冷静な議論を」)。
①民間の将来に対する市場(先物市場)や排出権取引で対応することが可能
②日本など限られた国だけが導入してもその効果は疑わしい。日本の環境税に中国、米国、途上国がただ乗りして、彼らが環境対策をなおざりにすると、世界全体としての効果は小さくなってしまう
③価格弾力性が低いので、環境税よりも規制の方が直接的に目標を達成しやすい
④環境対策を実施する財源を環境負荷に対する課税に求める必要はなく、環境対策に必要な税収を別に集めてもかまわない
⑤環境税を導入するのであれば、環境汚染への正しい負荷価格を設定するものでなければならないが、どれだけ負荷を上乗るのが適当かわからないし、日本だけで実施しても効果は不確定である
 井堀教授は「総じて、環境税を導入するメリットが大きい根拠は、まだ十分には示されてはいない」と結論しています。

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