エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(政策;情報主権の革命とスマートグリッド)

2011-02-17 00:56:05 | Weblog
Green by ICTについては、いま一段高次元の視点で考える必要があります。今後予想されるエネルギー費用の増加と現在進行している気候変動に関する議論を考慮に入れると、「グリーンIT」は社会のさまざまなステーク・ホルダーとのとの関係が深く、IT業界だけで取り組める課題ではありません。企業担当者や政府立案者が、エネルギー消費を考慮したITの新しい可能性を積極的に追求していくことが必要不可欠となっています。
09年12月原口一博総務大臣の「原口ビジョン」が公表されましたが、地球環境の観点から注目されるものとしては、①20年時点でCO2排出量25%削減という政府目標のうち、10%以上をICTパワーで実現(ICTグリーンプロジェクト)、②規制制度の集中的見直しを完了(10年中、「ICT利活用促進一括化法」の制定)などがあります。
10年6月政府のIT戦略本部は、日本の新たな情報通信技術戦略を発表しました。この中でもっとも特徴的なのは、「情報通信技術革命の本質は、情報主権の革命である」として「情報の民主化」を宣言したことです。これは「You Tube」のパラダイムにほかなりません。その上で、すべての世帯でのブロードバンドサービスの利用の実現を目標として、重点テーマの3本柱として、①国民本位の電子行政の実現、②ICT利活用による地域の絆の再生、③新市場の創出と国際展開を掲げています。
具体的には、週7日24時間いつでも行政サービスが利用できる環境整備、遠隔医療、在宅介護サービス、教育が受けられる環境づくりのほか、スマートグリッド、情報通信技術を活用した住宅・オフィスの省エネ化、人やモノの移動のグリーン化などを推進するとしています。今後は、4月に「情報通信技術基本戦略」を決定し、5月に同戦略を実施するための工程表(スケジュール)を策定する予定ですが、目標とされている環境には、テレビ会議、遠隔医療や遠隔教育などエネルギー消費やCO2排出量低減につながるものがかなり含まれています。このほか、ウェブベースの電子商取引の推進もそのような効果があります。
 したがって、今後「情報通信技術基本戦略」やそのための工程表策定に当たっては、より高次元のGreen by ICTをも推進する視点から、スマートグリッド推進とのリンケージを構築した包括的な政策パッケージを推進し、「You Energy」のパラダイムをIT革命の負の側面を克服するものへと発展させていかなければなりません。