エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(動向;HEMS・BEMSとV2Gが結合して革命が加速化する)

2011-02-06 00:11:45 | Weblog
スマートグリッドについて、さらに期待されている市場としては,プラグインハイブリッド車や電気自動車と家庭を接続する「Vehicle-To-Grid 」(V2G)があります。V2Gとは、電気自動車やプラグインハイブリッド車などの二次電池を積んだ次世代自動車をスマートグリッドに接続し、自動車で発電した電気の余剰分を配電網に送り家庭用電気として有効活用したり、売電をするというものです。
V2Gが「スマートグリッド革命」の第二幕で、今はHEMS・BEMSという第一幕に引き続いて、それらと結合したV2Gという第二幕があいたところです。普通、電気は電力供給網から電気自動車に流れますが、電気自動車は電池のかたまりなので、そこで貯めた電気を逆にも流し、双方向の電気の流れを実現するというものです。電力会社からすれば、太陽光など再生可能エネルギーが大量に導入されると、そうした不安定電源に対する周波数調整などの点でメリットがあります。また、家庭にとっては、夜間のように電力料金が安いときに電気を買って、高いときに売れば差額で儲けることができます。
米のオバマ大統領は,15年までにアメリカ製のプラグインハイブリッド車を100万台走らせると言っています。そうすると,V2Gの市場規模もかなりのものになります。たとえばフォードは、13年~15年までにプラグインハイブリッド車と家庭に設置するスマートメーターを接続する計画を進めています。
日本でも、11年までにプラグインハイブリッド車が一般に販売されるほか、電気自動車についても自治体などの官公需だけではなく、民間にも導入されるようになってきました。例えば、日本郵政グループの郵便事業会社の年間のガソリン代は100億円に上っていますが、同社は集配に使っている軽貨物自動車約2万3千台を電気自動車に切り替える計画です。08年度から順次電気自動車の導入を開始しており、8年後をめどに全ての車両を電気自動車にする方針です。
経済産業省は、20年における年間販売数をプラグインハイブリッド車120万台、電気自動車80万台とし、ガソリンスタンドなどの急速充電器を5000台、家庭用充電器を200万台設置することを目標としようとしていますが、環境省はもっと高い目標値の設定を求めています。このような動きを見越して、日本の自動車メーカーもV2Gに対して積極的に取り組むようになっています。日産自動車は、急速充電器をV2Gへの布石と位置づけており、昭和シェル石油と共同開発しています。急速充電器に自動車向けリチウムイオン電池と太陽電池を組合せ、V2Gにより送配電網への負荷を減らそうという構想です。