昼下がりのコーヒー豆のあくび アーリーアフタヌーンコーヒー日記

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コーヒー豆屋のちょっとだけゆっくり流れる時間

質的寿命

2024-07-26 07:51:36 | 日記
夕暮れ間近、店舗裏口付近でニイニイゼミの羽化が見られました。時期的にはちょっと遅めの個体かな。産卵後40日で孵化し、凡そ4年と言われる寿命の大半を地下で過ごし、数週間の地上を生きる、量的には遥かに長い地中生活と、1/48程度の地上生活。

僕等から見れば、その短すぎる地上に出てからの寿命も、時計を持たず、日の出日の入りを経験してこなかった彼らにすれば、同様に短く感じるものでしょうか。

小学生の頃までは、一日一年がとても長く感じ、ある意味、永遠を生きていたのかもしれません。何もかも知らないことばかりで,たぶん情報処理が追い付かず、驚き、悩み、そして一生懸命で。
やがて、世の理を覚え日常がルーチン化する毎、時間の流れは加速し、既に光陰矢の如し。

もしかしたら、地下の狭い範囲でルーチン化した生活を送った幼生時代のニイニイゼミもまた、量的な時間と質的な時間感覚は一致しないかもしれないなんて、ふと思います。ボクらの逆パターンではありますが。

量的な時間は、客観的に他者からも判断できます。が、質的な時間は、おそらく個々人にしか認識できないかと。

短命だった方が、実は「長寿」であった可能性を、ボクは否定できません。