楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

〝食肉鶏卵〟で思い出したこと

2021年03月02日 | 日記

自民党の実力者だった河野一郎が農林大臣の時に「芝浦と畜場」を近代化しようとして頓挫したという。

当時のと畜の世界は江戸時代の浅草弾左衛門に由来する独特の流儀と関係者の利害が複雑に絡んでいたはずだから、流石の河野一郎も手がつけられなかったということだろう。

「食肉鶏卵課長は農水省の出世コース」ということも聞いた。良く言えば人物評価として〝清濁併せ飲む度量〟と〝危ない橋を渡りきれる運〟みたいなものが試されたのかもしれない。どちらも50年も前の畜産の仕事をしていた頃の話しだ。

 

東北新社と総務省との接待事案と鶏卵大手のアキタフーズと吉川農林水産大臣との贈収賄事件が抱き合わせで報道されていて、国会質疑のなかで農水省の処分対象者に面識のある人がいることを知った。まさに食肉鶏卵の中にいた。

擁護するわけではないが〝巻き込まれた〟と率直に感じた。当時30才台だったと思う。笑顔を絶やさない明朗で聡明な人柄だったと記憶している。

大臣に誘われたら誰でも断れないのではないか。私がもしその立場だったら行っただろう。もう国会議員の悪弊は霞が関の幹部が断ち切らなければならない。

 

度重なる議員や役人の不祥事を巡る国会質疑が虚しい。これまで何も残ったものが無い。

今度こそ野党は予算審議を止める覚悟で「第三者による調査」と「官邸人事局の廃止」を迫るべきだった。役人の忖度と言われるが殆どの震源は政治家ではないかと思う。

 

処分を受けたその人は既に職を離れている。もう悲劇は繰り返してほしくない。