ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

「パンツ丸見えだぞ」

2009-07-25 11:20:55 | 
遠い夏の日の思い出を『再録』


 ◆◆ 竹内まりやのCDを聴きながら。「象牙海岸」。夏の日の思い出。遠い遠い… ◆◆



鎌倉にC子と旅行したことがあった。
夏の真っ盛り。鶴岡八幡宮に向かう通りの木々のセミの鳴き声が今も耳に残る。
江ノ島でお参りをして鎌倉の大仏を見て2人して江ノ電の窓越しに海をずーっと眺めていた。
数ヶ月に一度しか会えない中で平穏で何にもとらわれない「非日常」のひと時だった。
いつかこんな平穏な生活が僕らに訪れないものか。
当時の僕の置かれていた環境からするとおおよそありえない夢のまた夢のような時間だった。


何の準備もせずに来たものだから海水パンツもない。僕は、こんな夏の海を前にして泳がない手はないと思った。
C子と茅ヶ崎の砂浜に下りて、シャツとズボンを彼女にあずけ、トランクスのまま海に飛び込んだ。
脱げそうになりながら思いっきり泳いだ。
それを浜辺にしゃがみC子は微笑みながら見ている。
であれば僕はなおさら強がって一生懸命泳いだ。そして程よく疲れ、浜辺へ戻る。


「パンツ丸見えだぞ」


その時のC子の服装は胸元からひざにかけてボタンで留めるつくりの薄絹でできた涼しそうなワンピースで、
海のほうを向いてしゃがんで座っていたため、本当に丸見えだった。
あまり人気もない場所だったし油断していたようだ。

C子はプーッと真っ赤な顔をしてほっぺを膨らませた。


「なによ。エッチだね・・・」


ハンカチを借りて顔をぬぐい体を拭いた。
乾くまで僕らは一緒に砂浜に座ってしばらく遠くの海を見つめた。
二人とも妙に黙りこくってただひたすらに海を見つめた。

( 続きもありますが、こんなところで… )


夏になると決まって思い出すこの風景…
僕の心のアルバムの大切な1ペエジです。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ポテト)
2009-07-25 19:48:18
‥‥
せつないような‥‥
いとしいような‥‥

コメントを入れることが出来ません。

2ペエジ目を待っています。
返信する
フィクション抜きの実話 (dragon21)
2009-07-25 21:25:55
こんばんは、ポテトさん。

そう、これは実話なんです。
懐かしく切ない夏の思い出の1ペエジ。

3泊4日。

東京→横浜→湘南・鎌倉

C子はいまどこで何をしていることやら…
幸せになってくれていることをひたすら祈るばかりです。
返信する
実話~ (亜衣)
2009-07-25 21:45:49
素敵で
またなんとも可愛い
小さな恋のメロディーですね

「続き~」を知りたいものですが~
野暮はやめておきましょう(笑)

誰にもこういう甘くも切ない想い出があるのでしょうね。
今は・・・・と、ゲンジツの周りを見渡すと・・・
どうでしょうか~?
返信する
こんな心象風景を (dragon21)
2009-07-25 22:16:54
こんばんは、亜衣さん。

きっと誰しもこんな心象風景を心の奥底にひっそりと持っているのだと思います。

一人一人みな自分の人生の主人公なはずです。

恋もし挫折も味わいそして何度も何度もやり直す。

テレビや映画のような派手さはなくても
誰にとってもそのドラマはかけがえのない自分だけのオリジナル。

僕だって僕のドラマの中ではまだ主人公なはず。
さて、これからどんな展開が待ち受けているのでしょう。
ポジティブに!前向きに!
シナリオはそうでなくっちゃね。
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