社内の通信誌の片隅に落ち葉を集めてさつまいもを焼いている挿し絵がありました。
手作りのペーパーなので無料利用できる絵をどっからか拾ってきたんでしょう。
季節的にはやや早い気がしましたが、
はて?こんな情景、東京であったのはいつの頃までだったろうと思いました。
典型的な田舎である僕の実家のほうでさえ庭で焼きいも焼くなんてことは、
とっくの昔にしなくなりました。電子レンジのたまものでしょうか。
お正月に凧を上げたり独楽を回したりしなくなったのといっしょです。
けれど正月といえば官製はがきには凧や独楽が印刷されてますよね。
かつて僕らが当たり前に行っていた日常や景色はすっかりなくなりました。
東京ならばなくなるのはおさら早かったでしょう。
庭の落ち葉でいもを焼く。
今でもあるのはザザエさんのご自宅ぐらいでしょうか。
波平さんが庭でがさごそやっている姿が目に浮かびます。
そもそも都内で木の葉が積もるくらい木々が繁茂する庭など見かけないし、
そんな家があったとしても防火上火を起すなんてできないですよね。
(すぐに消防車が駆け付けます )
秋と言えばお月見です。梨や葡萄といった果物と煮栗と枝豆それにとうもろこし。
お月様に30分ほどお供えしその後家族でいただきました。
川にススキをとりに行き瓶にさして飾りました。
秋になると決まってその時の煮栗やとうもろこしの美味かったことを思い出します。
みな自分の家の畑や山で採れたものばかりです。
そうそう焼きいもは違う作り方食べ方があるんです。
田んぼの稲刈りが終わり稲を田んぼに干した後そこで脱穀をする農家が大半でした。
どこの農家も脱穀で出た稲の藁をその場で燃やし来年の肥料にしていました。
ほぼ一斉に火がたかれ勢いよく燃えあがります。
しばらくすると表面は燃え尽きたようになりますが中はまだ熱がくすぶった状態になります。
そこが狙い目です!
〝いも持ってくっぺ〟
友達同士でじゃがいもやさつまいもを持ち寄り燃え残る灰の中にぶん投げます。
待つこと20分、木の棒で灰をかきわけると真っ黒に焦げたいもたちが出てきます。
焦げた皮を取り除くとそれこそほっかほかの焼きいもの出来上がりです
熱いのなんの。けど少し寒くなった夕暮れにみんなで食べた焼きいもはこれまた美味かった~~
秋は食欲の秋ですから結局、食い物の話に帰結しちゃいますね。
自然の移り変わりのなかで生きていた頃の風情を話すはずだったのがこの始末です。