80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

映画「真昼のオリオン」の原作(2)

2009年06月10日 | 本の情報
昨日のブログの続きなんです。 もし昨日読んでなければ先に読んでネ。

著者、池上司さんのデビュー作品「雷撃深度十九・五」の内容を
少し紹介させて頂きます。 ほんのさわりだけ。

 日本新鋭潜水艦、伊ー58号は人間魚雷艇「回天」6基を搭載して終戦の年の7月16日、
 呉軍港を出発します。フィリッピン、レイテ沖で、米軍艦を待ち伏せするのです。
 
 終戦日の18日前、7月29日に米、重巡洋艦インディアナポリス
 (原爆2発を米本土からテニアン島に届ける極秘使命を帯びている)と遭遇し、
 海の上下で海戦が行われます。

 潜水艦は度重なる爆雷攻撃で瀕死の被害を蒙りながらも、最後に魚雷4本を発射、
 ことごとく命中して、米艦は原爆諸共海の藻屑と化したのです。


このストーリーは肝心な処でフィクションです。
インディアナポリスは原爆を運送し終えてから(2発共日本に投下された!)、
レイテへの帰路に撃沈されたのですから。
 
それに回天には乗員を乗せずに、囮として発射するのですが、
史実では回天乗組員6名は帰らぬ人になっています。(小説では戦死2名だけ)
終戦の3日後、8月18日に呉港にひっそりと帰国しました。

兎に角、索敵、欺瞞行動、待ち伏せ、追跡、反攻、囮作戦、生か死かの激戦、等々
次々と秘術を尽くしての戦術を織り込んで、
息をも継がせぬ迫力ある場面の連続となります。 全くのエンターテイメント小説。
 

小(弱)が大(強)を制する、皮を切らせて骨を切る、
日本人としてまことに痛快なストーリーですね。

映画ではどの程度に迫真的なシーンになっていますやら・・・。
観た後で又、映画評でも書いてみたいと思います。