前回、メキシコ大統領だったポルフィリオ・ディアス(José de la Cruz Porfirio Díaz Mori)の母姓が日本の「森」姓だった可能性について書いた。
ある日のこと、イタリアの村を扱った旅番組を見ていると、森さんが Mori という村を訪れていた。mori は普通名詞 moro(桑の木)の複数形である。桑の木がたくさん茂っているところから Mori という地名になったらしい。スペイン語の moro は「ムーア人(モーロ人、北アフリカに住む。moreno「褐色の肌の人」の語源になったらしい)」という意味である。スペイン語の「桑の木」は morera というが、「桑の実」は mora という。これは姓にもなっている。Mora は珍しい姓ではなく、筆者の知り合いにもいる。
イタリアからも新大陸に大勢移民として渡っている。ラテンアメリカではアルゼンチンに多くいる。サッカーの Messi もイタリア系移民の子孫である。コスタリカにも数は多くないが、個人的にイタリア系の姓を持つ人を知っている。
メキシコにもイタリア系移民の子孫がいても不思議ではない。その中に Mori という姓の人物がいたことは十分考えられる。ポルフィリオ・ディアスの母親はミステク・インディオだというが、イタリア人の血が入っていたのかもしれない。
話は変わるが、Mori という姓はスペイン語話者には morir(死ぬ)という語を連想させるのではあるまいか。アクセントを後ろに移して、morí とやると、「私は死んだ」という意味になる。また、コスタリカでは2人称単数親称の tú が一般的には使われず、その代わりに vos という語が使われている。morí はコスタリカのスペイン語では、vos にたいする命令文、「死ね」という意味にもなる。
そういえば、“memento mori”(「死を記憶せよ」)というラテン語の警句があった。本来は「今を楽しめ」という意味で使われていたらしいが、その後、キリスト教が広がって、別の意味で使われるようになったとのこと。詳しくはリンクをご覧いただきたい。
このほかにも画像が多数ある。
“memento mori”はポルフィリオ・ディアスの座右の銘だっただろうか。
次回は映画中のポルフィリオ将軍の容姿について述べる。
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メキシコにもイタリア系移民の子孫がいても不思議ではない。その中に Mori という姓の人物がいたことは十分考えられる。ポルフィリオ・ディアスの母親はミステク・インディオだというが、イタリア人の血が入っていたのかもしれない。
話は変わるが、Mori という姓はスペイン語話者には morir(死ぬ)という語を連想させるのではあるまいか。アクセントを後ろに移して、morí とやると、「私は死んだ」という意味になる。また、コスタリカでは2人称単数親称の tú が一般的には使われず、その代わりに vos という語が使われている。morí はコスタリカのスペイン語では、vos にたいする命令文、「死ね」という意味にもなる。
そういえば、“memento mori”(「死を記憶せよ」)というラテン語の警句があった。本来は「今を楽しめ」という意味で使われていたらしいが、その後、キリスト教が広がって、別の意味で使われるようになったとのこと。詳しくはリンクをご覧いただきたい。
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