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読売ジャイアンツのデラロサ投手(4)母の父姓 Corporan 

2019-09-17 18:25:21 | 名前
 
 読売ジャイアンツのデラロサ投手(Rubby Carlos De La Rosa Corporan)の母の父姓は“Corporan”である。このままだと、アクセントは後から2番目の母音 [o] の上に来る。カタカナ表記すると、「コルポーラン」に近い。ただ、アクセントが最後の [a] に来た方がスペイン語らしい響きがある。ということで、デラロサ投手の母の父姓は“Corporán”ではないかと推測される。
 “Forebears”で調べてみると、“Corporan”も“Corporán”もあった。まず、アクセント記号なしの“Corporan”は絶対数でも人口比でも1位はドミニカ共和国で、1万人強。スペインには200人弱である。
 次に、アクセント記号つきの“Corporán”の方は、これも絶対数、人口比とも1位はドミニカ共和国だが、絶対数は154人。スペインにはわずか1人である。
 ということで、アクセント記号なしの“Corporan”が圧倒的に優勢である。
 それにしても、ドミニカ共和国に特に多いのに対して、スペインに少ないのはなぜだろうか。考えられることは、この姓はスペイン由来ではなく、他の国に由来するのではないかということである。
 調べていくうちに、“INSTITUTO DOMINICANO DE GENEALOGÍA, INC.”(「ドミニカ家系協会」とでも訳しておこう)のサイトに行き当たった。その中の“APELLIDOS FRANCESES EN LA COMARCA DE SAN CRISTÓBAL”という署名記事によると、以下の姓はフランス由来のものだそうである。

 Adames, Beltré, Benoit, Bensáns, Bernal, Burét, Cadet, Chantínt, Chevalier, Coën, Coiscoud, Corporán, Cruz, Cuascû, Diprét, Doñe, Duversié, Duval, Duvergé, Fevrier, Florentino, Galán, Labalé, Lachapelle, Lafortún, Langomuá, Larancuent, Laraperát, Montás, Mosét, Nivál, Obét, Pacheco, Pepén, Pereyra, Renville, Sanó, Tamarés, Tolentino, Yuber y Yosónt.

 Chevalier(シュヴァリエ:西 Caballero)のようなフランス語そのままの姓もあるが、Cruz(元巨人の「クルーズ」選手の姓)のようなスペイン語そのものの姓もある。Cruz(英 cross)はフランス語 croix をスペイン語に置き換えたものだろう。上のリストの中に、アクセント記号つきの“Corporán”が立派に入っている。デラロサ投手のチームメイトであるアダメス投手の姓“Adames”も入っている。これについては後日、取り上げよう。
 アクセント記号のない“Corporan”がもともとのフランスの姓で、それがドミニカ共和国に定着したものと推測する。フランス語は言ってみれば平板アクセントだが、“Corporan”をスペイン語らしく発音すると、“Corporán”になるのだろうが、正書法をちゃんと学んでいない人々にはアクセント記号の有無はどうでもよかったのではなかろうか。教養のある人たちは、ちゃんとアクセント記号をつけて“Corporán”と表記したのだろうが。
 次に、紋章を調べてみたが、スペインの由緒ある姓ではないので、紋章は見つからなかった。
 

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