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読売ジャイアンツのデラロサ投手(5)母の父姓 Corporan - その2

2019-09-18 18:25:48 | 名前
 読売ジャイアンツのデラロサ投手(Rubby Carlos De La Rosa Corporan)の母の父姓は Corporan だが、そのの意味は何であろうか。
 英語“corporation”(法人、会社)に関係がありそうなつづりである。スペイン語でこれに似たつづりの言葉に“corporal”がある。「肉体の」という意味の形容詞、及び「(カトリックの)聖体布」という意味の名詞にもなる。明らかに名詞“cuerpo”(肉体)の派生語といえるだろう。Corpus Cristi も関連語である。これは、「キリストの聖体の祝日、三位一体の祝日後の最初の木曜日」とのこと(小学館『西和中辞典』による)。
 何にしても、“Corporan(Corporán)”も“De La Rosa”と同じく、宗教的な姓だと考えられるのである。
 さて、前回、ドミニカ共和国におけるフランス語起源の姓の中に“Cruz”(英 cross、仏 croix)があることを紹介した。Cruz 姓については「楽天のクルーズ選手」をご覧いただきたい。
 “De La Rosa”姓同様、“Cruz”の前に“De La”がついた“De La Cruz”という姓もある。この姓を持つ人は世界中に約81万人いる(“Forebears”)。“Cruz”姓の358万人に比べると少ないが、それでも結構いる方である。
 “De La Cruz”姓がフランス由来かどうか知らないが、このフランス語形は“De La Croix”である。これを続けてつづると“Delacroix”となり、日本でも有名な画家の姓になる。読み方は「ドラクロワ」である。
 
 【ドラクロワ 民衆を導く自由の女神】
 ただ、スペイン語形の“De La Cruz”に比べると、ずいぶん少ない(“Forebears”)
 ここで、やっと本題に入る。父の父姓が“Cruz”で、母の父姓が“De La Rosa”だと、両方あわせて“Cruz De La Rosa”となるのだが、和訳すると「バラの十字」になる。実在してもおかしくない姓である。つい、秘密結社「薔薇十字団」を連想してしまったのである(ウィキペディア「薔薇十字団」参照)。“Cruz”選手と“De La Rosa”選手が同じ時期にジャイアンツに在籍して、「薔薇十字団」を結成していれば最高だったのだが。
  
 【『薔薇十字の目に見えない学院』(The Temple of the Rose Cross),テオフィルス・シュヴァイクハルト,1628年】
 
 【The Rose and the Cross: 薔薇が象徴的に描かれた薔薇十字文書『至高善』の扉絵】

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