スパニッシュ・オデッセイ

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「いかしたクーペ」と「いかれたクーペ」(2)

2012-12-02 10:56:26 | トリビア
  使役形の「いかせる」に戻るが、かつては、使役形は「せる」ではなく、「す」をつけていた。使役形である「いかせる」の昔の形は「いかす」である。これは半世紀前には石原裕次郎の代名詞といえる言葉であった。「いかす」奴といえば、裕ちゃんだった。「いかしたクーペ」というビーチボーイズの曲もあった(原題は“Little Deuce Coupe”だが)。
 ということで、「いかす」は「かっこいい」という意味で使われていたものだが、今では「いけてる」という可能形に取って代わられてしまった。「いける」という形は今も昔も「うまい」という意味で使われているが。
 また、本人は「いかした」つもりでも、周りから見れば「いかれている」ということはよくあることだ。
 ポイントは使役形はいい意味に、受身形は悪い意味に転用されているということである。