ドンドンこにしの備忘録

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「さあ、地獄へ堕ちよう」  菅原和也読了!

2016年04月11日 16時52分42秒 | 作家 さ行
さあ、地獄へ堕ちよう (角川文庫) 2016.4.11読了。
菅原 和也 (著)

SMバーでM嬢として働くミチは薬とアルコール漬けの日々を送っていた。だが、幼馴染のタミーとの再会からミチの日常が変容していく。タミーが関わっているという残虐な死体写真が集められた“地獄へ堕ちよう”という裏サイトの存在。さらに自らにおぞましいほどの身体改造を求める、店の同僚リスト。出口のない欲望が絡み合い、凄惨な事件が起こる―。最年少で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞した衝撃の暗黒青春ミステリ。


この作家さん、お初ですが、1988年生まれというから、まだ20代!(最年少で第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞している!)ということで、なにか凡人とは違う才能を感じる。
まずはその文体も独特。この小説は、若い女性の一人称視点で描かれているが、甘さがなく、乾いた硬い文体で、短いセンテンスで構成されている。そのためグロい描写もなぜかドライな爽やかさ(?)を含んでいる。
そして、SMや身体改造などをテーマとして扱い、それらの知識がたいへん豊富。

特殊なテーマのミステリー仕立てで、才能なのか、その硬質な文体からなのか、あっさりと読みやすく物語に入っていけるが、難点を言えば、主人公が、最初のキャラから、後半にはまったく別のキャラクターに変わってしまうことには、どうも納得がいかない。痛いのとかグロいのとか嫌いな人は読めない、読者を選んじゃう小説。もう一作読んでみたい。…6点。


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