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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

A Study in Pink Audio Commentary その9

2018-05-28 20:56:07 | Sherlock S1E1 Commentary
ラストです。

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モ:原作のホームズが鹿撃ち帽をかぶってたのか議論になっているが挿絵によるとかぶっていたと言える。
挿絵は最初からあるものだからね。
ゲ:似たような話題は多くある。新聞記事をうめるための手段だ。
「基本だよワトソン君」も原作には実在しないセリフだ。
モ:いかにも言いそうだ。



ゲ:彼の言っていないセリフはたくさん存在する。
それと同じで鹿撃ち帽もはっきりした記述はない。
モ:彼は「エレメンタリー(基本)」さえ一度も言っていないそうだ。よく聞くのに。
いいセリフなのは確かだけど。
モ:「エレメンタリー」と出すか悩んだが今どきの男が使う単語じゃないと思った。
ゲ:何か考えよう。「お世辞はいい」が好きだ。
モ:イメージが壊れる。狙って言ってる感じだ。
ゲ:「ホームズ、約束したろ」



モ:「基本」と言われる場面が・・・
スー:これはCGよ。炎がね。
ゲ:リコリスで作った銃だ。
モ:本物の銃だよ。
ゲ:フィルに誘拐されて薬か銃を選ぶとしたら?リスクを冒して銃を選ぶ?
スー:偽の銃と知らずに?
ゲ:当たり前だ。



モ:ほかのケースでジェフは積極的に銃を使ったはず。
ゲ:もっと怖い?
モ:本物の銃だとしてもベネディクトは勝てると思う。
モ:ここで僕ならさっさと立ち去るね。
モ:パイロット版の設定より直接的なやり方になってる。無謀な行為だ。彼の中毒症が出てきた。



ゲ:ジェフがどう見分けてるかは決めてあったの?
モ:どのポケットに何が入ってるかわかってた。印があるのではなくただ記憶しているだけ。
ゲ:混乱して忘れたらどうなる?「どっちだっけ?」「やめた」ってなる。
スー:自分にもリスクがあるのね。
モ:だが彼は洗脳するみたいに相手を操作するんだ。



ゲ:注目だ。
モ:そう、2枚の窓を通したシーンだ。ひとつ目の窓を通り抜けたらまた同じ窓にズームインする。
うまく撮れてる。



モ:デヴィッド・アーノルドとマイケル・プライスが刺激的な音楽を作ってくれた。
スー:特別な人たちよ。
ゲ:タイトな締め切りにお対応する驚異的な職人たちだ。



モ:ヒーロー的な音楽じゃないのがいい。
シャーロックの常軌を逸した音楽だ。興奮を誘うのが耳障りだ。
ゲ:ストリングが調和していない。




ゲ:マーティンがジェームズボンドに選ばれたら理由はこのショットだ。
ゲ:このシーンはとても満足している。
死にかけている男に「僕は合っていたか?」と聞く。
そして残酷に男の傷口を踏みつけるんだ。最も冷酷なシャーロックの姿だ。



モ:彼の言い訳はジョンと同様「悪党だった」から。
恐ろしいセリフだね。「死ぬ寸前でも拷問はできる。」
ゲ:モリアーティつなげるための道筋だ。90分ドラマになると分かってすぐに決めていた。
ゲ:楽しみを先に延ばさず最初のうちから何か秘められたものを匂わせようとね。
モ:原作でモリアーティは「最後の事件」に初めて登場する。最後の登場でもある。


↑ここで「モリアーティ」と唇だけ動くのがすごく好きなんです。

モ:ふたりの対決がもっと書かれてたら面白いだろうとファンは期待した。
ゲ:だがラスボーン版の描き方は間違っていた。モリアーティが繰り返し再登場するんだ。
大好きなシリーズだけどモリアーティは頂けない。5人の違う俳優が演じてるけどね。それは面白い。



モ:毎回違う俳優が演じて毎回殺される。生き返った説明もなし。
ゲ:「再生」だ。
モ:それしか考えられない。



↑ちょっとあざとかったでしょうか・・・(笑)

モ:この瞬間も好きだ。マーティンの視線が「そう僕だよ」と語っている。
ゲ:僕が好きなのは彼の軍人風の物腰だ。その表現を読んでもピンとこなかったけどこれだと思った。



スー:歩き方も軍人風ね。
モ:すべてのシーンで自分が軍医であることを忘れていない。文句のつけようのない男だ。
ゲ:レストレードが「優秀な刑事」であることと同じでワトソンはパッとしない「バカ」のほうがいい。
窮地に陥っていてくれたほうが都合がいい。
モ:ワトソンはどの物語でも決して天才とは言えない。
だがホームズはワトソンを誰よりも信頼している。マーティンは信頼できる男を体現していると思う。



スー:マーティンは歩き方にバリエーションがある。第2話でデートした時の歩き方は・・・
ゲ:軽快
スー:そう、期待感ね。
ゲ:軽やかだった。
スー:進展を期待して。



ゲ:シリーズが続くならワトソンを女たらしにしたいと思っている。その一端をもう見せている。今後が楽しみだ。
モ:うまう導入できてると思う。ただしモリーのことは口説かない。
ゲ:なぜ?



モ:彼女はシャーロックにほれてるし忘れられたから少し頭にきてる。
ワトソンは肉食動物みたいに常に警戒態勢にある。
ゲ:美女に対してね。



ゲ:「あのイケメンは誰?」とここでワトソンが言うんだ。
モ:ボツにした。俳優が現れないし・・・・
ゲ:僕は現場にいたよ。
モ:「マーク、スーツに着替えて」と。
モ:裏切られた気分だ。不吉なシーンだったのに原因は兄弟の確執だったなんて。
ゲ:「ママ」がいいよね。
ゲ:マイクロフトは過食とダイエットを繰り返すタイプだと決めた。
スー:楽できた?
ゲ:撮影中は自由な食生活ができてよかったよ。
彼のデスクにはダイエットピルが置かれている。なぜかシャーロックは悩み知らずだ。
モ:原作でマイクロフトは太っているから・・・




ゲ:原作と少し変えるのも面白いと思う。
ワイルダーの作品ではその設定は考慮されずクリストファー・リーが演じていた。それもまた斬新だと思うし・・・
モ:すごく面白いマイクロフトだ。権力的でシニカルで・・・・
ゲ:恐ろしい。
モ:唯一シャーロックに匹敵する優秀な男だ。



モ:大好きなシーンだ。ジョンがアンシアに話しかける



(みんな爆笑)
ゲ:2度目だ。
モ:やる気満々だね。かわいそうなジョン。
ゲ:シャーロックお得意の推理だ。「店の質はノブでわかる。」
モ:ジーンズでも。
ゲ:面白くて気に入っている。
モ:緊迫した瞬間が遮られる。
スー:ポールに質問された。
モ:詳しい推理の事?



ゲ:「デザイナーはネクタイでわかる」
モ:「パイロットは左の親指でわかる。」
「配管工事人」だったのを君がパイロットに変えた。
使えると思った。みんなを驚かせる見事な推理だ。
スー:誰かがネットで「緑のはしご」について調べていた。
ゲ:緑のはしごね。
モ:僕らのヒーローだ。
「シャーロック・ホームズとDr.ワトソン」
最後の君のセリフは格別だ。
ゲ:最初はルパートのセリフだったが「脚本家の語りみたいだ」と。
モ:マークが適役だ。
ゲ:僕にまわってきた。
モ:いいせりふだったよ。脚本家って感じだった。
ゲ:みんなに感謝している。



以上です。
もう言葉は要らない・・・・って感じです。

「ピンクの研究」は見れば見るほど何から何までパーフェクトなエピソードですよね。
出会いも完璧、三大陸の面も見せつつも銃でシャーロックを助けるワトソン先生もかっこいいし
そんなジョンに少しずつ心を開いていくシャーロックの変化もほどよく表現されているし
何より推理も犯人との頭脳戦が最高でした。

ここまでおつきあいありがとうございます。
次は「死を呼ぶ暗号」をやりたいと思います。