去年、ゲイティス御大が突然日本語のツイートをしてびっくりしつつも、
来日していたことが判明したわけですが、
先日再び突如日本語の入ったこのようなツイートをされたんです。
こんにちは! My travels in Japan...http://t.co/SAR2PE7OJ6
— Mark Gatiss (@Markgatiss) 2015, 1月 17
御大、何と日本旅行記を書かれたんですね。
画像があまりにもステキなので、読んでみようと少しずつ訳してみたのですが、
比喩って言うんですか?あまりにも文学的過ぎて私にとってはすごくハードルの高い旅行記でした。
そんなわけで毎度の事ながら間違っててもいいや精神でUPしようと思います。
誤訳等多々ありますが、広い心で受け止めてやってください。
口調は何となくマイクロフトのイメージにしました(笑)
まずは東京編です。
元記事です。
Mark Gatiss' train trip through Japan
マーク・ゲイティス 日本列車の旅
春か秋に訪れると役者は言いました。
それなのに彼は何をしましたか?
彼はうだるように暑い8月に嵐の中新幹線に乗りました。
(京都のしょうざんリゾート)
なぜかはわからないけどいつも日本を訪れたいと思っていた。
少年時代に観た「007は2度死ぬ」や「SHOGUN」の影響もあり、テンコーやClive James showに
複雑な気持ちを抱きながらも興奮し、それに相反する静かな美の文化に魅了されていた。
どのガイドブックにも共通して書かれているのは「8月には行くな」だ。
行くなら桜の咲く春や、たくさんの緑葉が燃えるような赤胴色に変わる秋で、
暑くて湿気の多い8月は避けるものだ。
しかし、私は去年の8月9日に友人のエマと旅立った。
私たちが東京に到着したのは超大型台風が通り過ぎようとしているところだった。
長いフライトのあとだったが、雨のカーテンを通り抜けたようにすっきりと気分がリフレッシュされていた。
目はかゆいし時差ぼけで頭も麻痺していたがそれでも私たちは何とか東京国立博物館まで足を引きずっていった。
そこは少し非現実な空間で、まるで誰かが鉄琴を持って私たちを追い回すように
カッポカッポとメロディが絶え間なくつきまとっていた。
それは洗練された若いカップルで、着物と目も眩むほど白く少し不吉に思える二股のソックスを履いていて、
独特のタトゥーのある彼らはあちこち歩きまわりながら分厚い木のサンダルがビートを刻んでいた。
眠らずにいようと努力している私たちは感じの良い小さな食事ができるところを見つけた。
私たちはメニューを指さし、笑顔で切り抜けようとしていたが、ウェイターも親切に助けてくれた。
私たちはラミネートのカーテンで他の客と仕切られていたが、
彼らの見かけだけの恥ずべきタバコの煙が私たちの美味しいウズラ料理の上に漂ってきた。
それはなかなかノスタルジックだ。
私たちは暴風の中を車で戻り、東京は今、ぼやけたネオンの集合体であふれている。
ささやくように静かな自動ドアのついたタクシーの運転手は白い手袋をしていて、
1970年代に思い描いていた未来にいるようだ。
翌日、心地よい眠りのあと、朝食でウェイトレスが「お待たせしてすみません。」と謝罪をした。
私たちはちっとも待たされてはいなかったが、彼女はおじぎをしては微笑み、微笑んではおじぎをしていた。
私たちは驚くほどきれいで効率の良いシステムの地下鉄に乗ったが、
休暇の時期はとても静かで伝統的な押し合いや無理な乗車をしている人はいなかった。
ひとつ目の駅、有名な築地の魚市場は作業場と観光名所が奇妙に入り交じっていた。
タコの吸盤が砕いた氷の中で身をよじっていた。
ピンクの雪花石こうの柱で肉を切り刻む中世の職人のような男が巨大なマグロを吊るしてスライスしていた。
ツナの切片が素早く床を走っていき、それらは捨てられるのかセンズベリーズに向かうかわからないし、
それを知る由もない。
次に私たちはたくさんある神社や寺のひとつを訪ねた。
浄化された領域につながる美しく配置された森にある道と霊に願い事ができる小さなブースは
偉大な改革を成し遂げた明治天皇を記念して建立された。
やがてすべての神社や寺はデパートの値引きのように祝福の安売りをしているのだという思いに至った。
しかし大聖堂で聖歌のCDをちいさなショップで販売していることを疑問に思うのとは少し違うかもしれない。
儀式には両手と口を洗わなければならず、そのあと絵馬に願い事を夢中で書いた。
これが商業化されていることそして神社や寺に数の多さに
どこか少し無慈悲な部分があると思いながら散策を終えた。
明治神宮の外観で興味を引く点は大きな柱と扉を覆う変わったへこみだ。
1年に300万人以上の人が訪れるので賑わっているのだろう。
巡礼者が遠く離れたところから祭壇に向かってコインを投げるので
木工に小さな穴の模様がつくられた。
しかし、これらは圧倒的な喧噪から時に静けさのオアシスを提供している。
ほとんどは戦争で破壊された後に再建されたものだ。
私たちは超ファッショナブルな10代を中心とする東京に夢中になったが、
見知らぬ街には常にロンドンのカムデンタウンの中心に立っているような不安がある。
ファッションはミステリアスで魅力的だ。
多くの女性は日除けのためにつばの広い帽子と長手袋、
くすんだピンクやグレーのかわいらしいレースのパラソルを持っている。
ビクトリア朝の幽霊のように見える手術用のマスクをした人たちは込み合った歩道を自転車で通り過ぎていった。
※もしかしたら御大は汐留の「コンラッドホテル」に宿泊したのかしら。
それだと地下鉄大江戸線の一駅目が「築地市場」だし。
なんて今更判明しても遅いんですけど・・・(泣)
足袋を不吉にも二股に分かれたソックス、と表現しているのは、
欧州では双子とかが不吉だとされているからですかね。
センズペリーズは英国のスーパーです。
次回、広島~九州~京都です。