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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

アメージング・グレイス 前半

2013-07-19 12:16:26 | 映画+Benedict Cumberbatch
原題: Amazing Grace 2006年/イギリス


タイトルはあの名曲「アメージング・グレイス」からです。きれいな曲ですよね。
私はこの映画で歌詞の意味を初めて知りました。

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。




奴隷貿易廃止に尽力した英国の政治家、ウィリアム・ウィルバーフォースの半生を描いた映画で、
イギリス奴隷貿易廃止200年を記念して制作されました。
史実を基にした映画ですがフィクション部分が多いように思います。が、史実と言っても何が真実かなんてよくわからないし、
何よりこれは映画だし、面白かったので全然大丈夫。(何か支離滅裂ですね、すみません)

前半はウィルバーフォースの回想で語られていて後半からはオンタイムとなる構成となっています。

1797年、英国の政治家、ウィリアム・ウィルバーフォースは心身を病みソーントン家で療養します。
夜ごと悪夢を見てうなされる彼は、医者からの指示でアヘンチンキを常用していました。
何が彼を苦しめているのか、それは後ほど明らかにされます。

ソーントン夫妻は彼の結婚を画策します。嫁をもらえば回復すると思ったんでしょうね。親心です。親戚ですし。
バーバラという美人で頭の良い女性と引き合わせようとします。

が、ふたりとも企みに気づいてしまいこの場は失敗。

15年前。
ウィルバーは若く希望に燃えたトーリー党の政治家でした。

議会ではホイッグ党のクラレンス公やタールトンとよく議論を交わし、度々打ち負かしていました。
クラレンス公はイギリス王ジョージ4世の息子で後のウィリアム4世です。トビー・ジョーンズが演じています。
TTSSでアレリン役だった方です。

左はタールトン役のキーラン・ハインズ。TTSSでブランド役を演じました。今回も仲良し?なふたりなんですね。

ウィルバーの大学時代からの友人で後のイギリス首相、ウィリアム・ピットも嬉しそうに見ています。


ある夜みんなでカードゲームに興じていました。
負けがこんできたクラレンス公はお金の代わりに自分の奴隷を賭けるからとウィルバーにかけあいました。
元奴隷船の船長でその事を後悔し今は聖職者であるジョン・ニュートンから度々悲惨な奴隷の話を聞いていた
ウィルバーは席を立ち走り去り、ピットが後を追います。

落ち着きを取り戻したウィルバーは「僕は歌が得意なんだ」と言って再びゲーム場に戻り、ジョン・ニュートンが作詞した
讃美歌「アメージング・グレイス」をみんなの前で歌います。

アメージング・グレイスの歌詞と日本語訳です。本当は7番まであるそうですね。
「Amazing grace how sweet the sound.That saved a wretch like me.
I once was lost but now am found Was blind but now I see.」
「アメージング・グレース何と美しい響きであろうか。
私のような者までも救ってくださる。道を踏み外しさまよっていた私を神は救い上げてくださり
今まで見えなかった神の恵みを今は見出すことができる。」

ピットくんも嬉しそう。彼はウィルバーが活躍すると笑顔になります。

余談ですがピット君はあまり社交的ではなかったようで友人も少なかったらしいです。
ウィルバーは数少ない大切な友人だったとか。・・・・どこのシャーロックですか?

ウィルバーは蜘蛛の巣や植物など自然を愛し、あふれる思いを神に伝えます。

残りの人生を神に奉仕したいと考えていました。
そしてその気持ちを手紙でピットくんに伝えると、ウィルバーは呼び出しをくらいます。

ピットは自分はもうすぐこの国の首相になるから君には僕の補佐をしてほしいと告げます。
最初は「首相?何言ってんの?」と本気にしなかったウィルバーですが、ピットは「若いから実現できる改革があるんだ」と言い、
そして「I need Your Answer、ウィルバー。君の美声で神を讃えるか、それとも世界を変えるか」と言われ悩めるウィルバーでした。

・・・また主役を差し置いて画像が多くなってきました。誰か私を止めてください。。。。

そしてある日ピットは奴隷貿易廃止運動をしている主だったメンバーをウィルバーに紹介します。
その中には運動のリーダー、トーマス・クラークソンや活発に活動していたクエイカー教徒、そして元奴隷のオラウダ・エクィアノがいました。
こちらはクラークソンさん。

クラークソンは「あなたは実際に見たことしか信じないと聞いたので」と言って奴隷船で奴隷を運ぶとき、
実際に使用している鉄の手枷や足枷などを持ち込みウィルバーに見せます。
元々奴隷制度には消極的だったウィルバーだったので、現実を見せられ一緒に戦ってほしいと言われればあと一押しです。

「僕の個人的興味を政治に使うのか」ウィルバーは怒りますが、ピットは平然と「その通りだよ」
更に「奴隷貿易に賛成の議員は300人、対するのは君だけだ。だが勝てる。君なら必ず」とすごい口説き文句で一押しします。
そしてウィルバーは彼の良きアドバイザー、ジョン・ニュートンに会いに行きます。
ニュートンは元奴隷船の船長でしたがある時奴隷の実態を知り、自分の犯している罪に深く戦き世俗を捨て神に仕える道を選んでいます。
アメージング・グレイスは彼がその時の気持ちを歌詞にしたものでした。
ウィルバーはピットから誘いを受けている事、奴隷貿易廃止の事、そして自分は迷っていることを素直に話しますが
ニュートンから「やりなさい。」と言われ、決心します。


現在に戻ります。
諦めないソーントン夫妻。バーバラを自宅に呼びみんなでお食事したあと二人でお庭の散歩に行くことになります。
話をしていくうちに二人とも同じ価値観や考えを持ち、また同じ方向を見ていることがわかります。
バーバラは当時ウィルバーが情熱を注いだ奴隷貿易廃止にも賛同していましたが、ウィルバーはその話をするのをとても嫌がりました。
結果的には法案は通らず、ウィルバーは失意の底にいました。そのため心身ともに健康を損ねアヘンチンキを常用していました。
それを聞いたバーバラは「すべてを話すのよ。自分の感情をすべてさらけ出すの」と言います。

今で言うところのカウンセリングでしょうか。今まで誰にも開けられなかったウィルバーの心を美人で聡明な女性が
いとも簡単にやってのけるのを見るのは気持ちいいですね。
ウィルバーは当時の事を話し始めます。

ウィリアム・ピットはイギリス史上最年少の24歳で首相の座に就き、ウィルバーはピットの補佐役を引き受けていました。
そしてウィルバーの奴隷貿易廃止の法案を成立させるための戦いが始まりました。
ウィルバーの賛同者はまだまだ数が少なく前途多難でしたが、ウィルバーの議論に将来性を感じたのか、
ホイッグ党の実力者、チャールズ・フォックス卿が廃止運動に参加することになったのです。

これはウィルバーにとっては願ってもない事でした。

ウィルバーとピットくん、かけっこしながらお庭に飛び出してくる場面。
こんなキラキラにする必要があるんですか?ってくらいそれはもうびっくりな場面です。(笑)

フォックスが加わったことについてのふたりの会話が、何か子供が遊んでいるみたいです。
「So,What Will we do With "FOX"?」 フォックスをどうする? ←ピットくん
「Put him in the "BOX"?」 びっくり箱に? ←ウィルバー
「Let him throw the heavy "ROCKS"」 世間を驚かそう。 ←ピットくん
「Provide the "SHOCKS"」 大騒ぎだ。 ←ウィルバー
「Put Lord Tarleton in the "STOCKS"」 タールトン卿は特に。 ←ピットくん
語呂合わせなんでしょうか。そういえばマザーグースにも同じような語呂合わせみたいな歌があったかも。

しかし、か・・・・・・かわいい。し、心臓が。。。。

それにしてもこんなかわいい首相と補佐だなんて、もうこの国、羨ましすぎる。
これが日本だったらマスコミは意地悪だから「高校生内閣」とか「アイドル内閣」とか言ってバカにしそうですね。
かけっこはピット君が勝つんですがこの時ウィルバーは「お腹の調子が悪いんだよ」って笑いながら言ってます。
実はその後、このお腹が悪化してアヘンチンキを常用するきっかけとなってしまいます。



長くなっちゃったので(でも半分以上は画像だったりしますが汗)続きは後半にします。