明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



龍の頭、髭と牙以外はほぼ完成。写真写りを優先し、あえて左右非対称歪めて作った。絵画では普通のことである。私のもっとも好きなヌード絵画クラナッハも解剖学的にはメチャクチャである。人形を撮影するようになり、初個展の翌年作家シリーズに転校し早々に、江戸川乱歩がピストル構えてアドバルーンに乗っている『帝都上空』を制作した。これは造形の段階で、極端な遠近感を付けて制作し、それをさらに広角レンズで撮った。田村写真で最初にプリントを見た時のことは忘れられない。異形の被写体ゆえの効果は作った私ししか知らない。 江戸川乱歩の作品は整合性云々をいう人もいるが、そんなことより何よりあの文体が肝心である。乱歩チルドレンの私も1カットで私と判る文体を持ちたくて挙句に陰影を排除することに。



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