明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



横尾忠則さんが寒山拾得に関心を持ったのは、三島由紀夫が文学に興味を持つなら森鴎外の「寒山拾得」を読むといい、と書いていたのが心の隅に引っかかっていたそうで、またご自身の今までの作品をぶち壊すことになるかも知れない。という覚悟だったそうである。 この熱量に、しばらく『寒山拾得』をモチーフには誰も手を出せないだろう。私にしても、昨年『Don’t Think, Feel!寒山拾得展』を開催していたから、再び制作にかかるけれど。 三島由紀夫没後50年の/2020年、ついに出版された三島が被写体の『男の死』だが、本来三島と横尾さんの二人の写真集として企画された。長らく出版されなかったが、石塚版〝男の死”はあくまで作り物だし、制作意図は違えど、先に発表しなければ滑稽なことになるだろう。階下に横尾さんと懇意の映画関係者がいて、孫娘が高校を卒業したら出る、と聞いて10年の間、気が気ではなかった。そして20年の『三島由紀夫へのオマージュ椿説男の死』の会場で、5ヶ月後のニューヨークでの出版を知った。これは三島にウケることだけを考えていた私への、三島からの褒美だと思っている。



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