撮影用の上半身、しかも前面しか作っていない犀星だが、遠近感をデフォルメして作るつもりが、気が付いたら、普通に作っていた。あれ、背中を付け足せば、半身像として展示出来るな、と背中を付け足した。 昔、架空のジャズミュージシャンを作っていた頃、前ばかり夢中になりすぎて完成に近くなり、慌てて後ろを作り足すなんて事を良くしでかした。この〝芸当〟のため、こんな事をしてしまう、これも、先日のブログではないが、ギターのネックは左手で持つんだ。前ばかり作らないで、後ろもたまには見ろ、なんて〝余計な〟事をいう兄貴がいないせいである。褒められた物ではないけれど。 〝男は後ろを振り返るな〟という父親の言うことを素直に聞いて、死んでしまったのが東京オリンピック、マラソン銅メダルの円谷幸吉である。二位で競技場に入って来たのに声援でヒートリーが迫っているのに気付かず抜かれて三位に。テレビの前で「後ろ、後ろ!」と教えてやったのに。 そしてメキシコオリンピックを前に怪我とプレッシャーで自殺。私のヒーローも一転。川端康成が美しいと評した食べた物ばかり連ねた遺書も私には無気味なだけである。後ろと言っても人生上の事とトラック上の事は別であり、比喩表現という物がある事くらい自衛隊体育学校で教えてやれば良かった。
旧HP
『タウン深川』明日出来ること今日はせず 連載第14回〝青春の日の一撃〟
『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube