デンマンさん。。。今日は菊ちゃんのお話ですかぁ~
レンゲさんは浮かない顔をしてますねぇ。。。菊ちゃんの話ではつまらないのですか?
おとといはアルベール・カミュの『異邦人』についてデンマンさんは、かなりしつこく書きまくりましたわ。
うん、うん、うん。。。確かに書きまくりましたよ。訳すのに、ずいぶんと手間取りましたよ。翻訳に時間がかかりすぎて僕の言いたい事はほとんど書くことができませんでした。
だから、あたしはデンマンさんが『異邦人』のことで、もっと分かり易く説明するものとばっかり思っていたのですわ。
そのつもりですよ。
でも。。。でも。。。こうして菊ちゃんの話を持ち出してきましたわ。話題をすっかり変えてしまったではないですかぁ!
僕は別に話題を変えたわけではありませんよ。
でも、デンマンさんは菊ちゃんのお話をとりあげたのですわ。
『異邦人』と関係あるからですよ。
そんな風には見えませんわ。『異邦人』の事など何一つとして出てきませんでしたわ。一体どの部分が異邦人と関係しているとおっしゃるのですか?
じゃあね、おととい引用した次の部分を読んでみてくださいよ。

結婚しようがしまいが俺にとっちゃ
大きな違いはないんだと言ったんだ。
そうしたら彼女は
“結婚って重要なことよ”と言ったもんさ。
俺は“違うね”と答えた。
彼女はしばらく黙っていた。
それから何も言わずに俺をじっと見た。
。。。
しばらく黙っていたけれど、
彼女は独り言のようにぶつぶつと言ったものさ。
俺はかなりの変わり者だってね。
それが多分彼女が俺を愛している理由だろうって。
でも、ある日、俺が変わり者であるために、
気が変わって俺が彼女を嫌うかもしれないって。
『萌える異邦人』より
この部分と上の菊ちゃんのお話がどのように関係しているとおっしゃるのですか?
つまりね、僕はムルソーの恋愛観、結婚観、人生観について話そうとしているわけですよ。
でも。。。、でも。。。、菊ちゃんとどのように関連しているのか、あたしには良く分かりませんわ。
だから菊ちゃんの世界では、女にとってお嫁さんになることは絶対なんですよ。菊ちゃんは体だけは立派な大人の女性のモノだけれど、オツムは7才の女の子と変わりがないのですよ。好きな人にキスされたいと言う気持ちは持っているけれど、お母さんの家庭教育を受けていたから、好きな人とエッチすることは犯罪を犯すことぐらいに重大な事だと教え込ませれいる。だから、オッパイを触られたり、パンツを人前で脱ぐことは絶対にしてはならない事なんですよ。とにかく、お母さんからそういう教えを受けていたようですよ。
それがどうだとおっしゃるのですか?
だから、女性にとって、それが一般的な社会規範であり常識なんですよね。少なくとも母親が娘に言っておきたい事はそう言う事なんですよ。
それは菊ちゃんが知恵遅れだったからですわ。
でもね、母親であれば正常な娘に対してでも、そう言っておきたい気持ちはあると思いますよ。つまり、ちょっと好きになったぐらいで男とエッチしたり、オッパイを触らせたり、パンツをぬいで大切なところを見せたり。。。そういう事はして欲しくないですよ。
それって。。。また、あたしに対する当て付けのように聞こえますわ。
やだなあああぁ~。。。レンゲさん。。。。また被害妄想ですよゥ。
いいえ。。。デンマンさんは大宮のホテル・ロマネスクでの出来事をそれとなくあたしに思い出させようとしているのですわぁ~。
ん?。。。大宮のホテル・ロマネスクでの事。。。?
そうですわぁ~。。。デンマンさんだって覚えているでしょう?。。。そうやってしらばっくれてぇ~。。。
うん、うん、うん。。。そう言えば思い出しましたよ。
生まれたままの姿で。。。

デンマンさんは、あたしがお風呂上りにしばらく裸で居ることを良くご存知ですよね?
分かっていますよ。でもね、レンゲさんは僕とゆっくりと落ち着いて話し合うつもりだったのでしょう。
そうですわ。
だったら。。。ゆっくりと落ち着いて話すのであるならば、どうしてあのようなすっご~い部屋を選ぶのですか?
すっご~いお部屋って。。。?
第一、あのシャワーですよ。。。
シャワーが何か。。。?
何かって。。。あの。。。あの透明なガラス張りで。。。、中が。。。なかが、すっかり丸見えでしたよ。
そうですわ。
そうですわって。。。分かって。。。分かっていて。。。、あの。。。あのような部屋を選んだのですかぁ~?
他の部屋だってみな同じですわ。
僕は本当に目のやり場に困りましたよ。
困りましたよって。。。、デンマンさんは、初めから最後まで瞬(まばた)きもしないように、あたしがシャワーを浴びる様子をずっと見ていましたわぁ~。
ん?。。。瞬き?。。。瞬きを僕は何度かしましたよ。。。
だから、瞬きもしないように。。。と言ったのですわ。。。全くしなかったとは申し上げておりませんわ。とにかく、デンマンさんが困ったようには見えませんでしたわ。
。。。いや。困ったと言うか。。。なんですよ。。。僕は、もう。。。びっくりしたと言うか。。。唖然とさせられましたよ。。。でもね、そればかりじゃないんですよ。ベッドの上にブランコがぶる下がっていた。落ち着いて話をするのに、どうしてあのような遊戯場のような部屋を選んだのですか?ジャクジには滑り台までついている。全く。。。僕は、呆れてしまいましたよ。
でも、デンマンさんは、興味深そうに楽しんでいるように見えましたわ。
それはそうですよ。あんなところに行ったのは初めてでしたからね。貴重な体験だと思ったわけですよ。でもね、我に返ってみて僕は2度びっくりですよ。
どうしてですか?
だってね、ベッドの上にぶら下がっているブランコに、レンゲさんは生まれたままの姿で乗っかって、まるで8歳の女の子のようにこいでいたじゃありませんか!?

せっかく来たのだからと思って。。。
しかし、成田空港からふるさとに戻ってゆく途中でブランコはないでしょう?。。。どう考えても可笑しいでしょう? どうして。。。、どうして、シャワーを浴びた後でブランコに乗る必要があるのですか?しかも、生まれたままの姿で。。。?僕とじっくりと話し合うつもりだったのでしょう?
そうですわ。でも、せっかくデンマンさんと二人きりになったのですもの。楽しまないと。。。
楽しむためではなく、話をするためにラブホテルを選んだんでしょう?
そうですわ。でも、せっかく。。。二人きりになれたのだから、話だけするのはもったいないと思いませんか?
つまり、話だけするのでは退屈するので、シャワーを浴びて。。。、それで、その後、生まれたままの姿でブランコに乗ったわけですか?
いけませんか?
でもね、レンゲさんは僕と会う1週間ほど前までは、坂田さんと毎日のように愛し合っていたんですよ。このラブホテルだってレンゲさんが坂田さんと愛し合っていた愛の巣ですよね。違いますか?。。。坂田さんとの思い出だって、まだ生々しいものがあるでしょう?
でも、坂田さんは大阪に行きましたから。。。
しかし、レンゲさんにとって坂田さんは掛け替えのない特別な人でしょう?その人が1週間ほど前に大阪に行って居なかったとしても、僕とラブホテルでブランコと滑り台。。。それはないでしょう?
でも。。。
でも、なんですか?
坂田さんが居なくて。。。あたし。。。あたし。。。とっても寂しくて。。。
『愛さずにはいられない (2006年12月2日)』より
思い出しましたよ。。。僕ははっきりと思い出しましたよ。
わざとらしいですわぁ~。。。デンマンさんは、初めからそのつもりで菊ちゃんの話を持ち出したのですわぁ~。
ん。。。?僕が初めからそのつもりだった。。。?
そうですわ。菊ちゃんはデンマンさんがしつこく説得したにもかかわらず、女の大切なモノを見せようとはしなかった。でも、あたしは生まれたままの姿でデンマンさんの目の前で平気でいる。そういうあたしのことを“はしたない女”だ、“だらしない女”だと。。。デンマンさんは、そうおっしゃりたいのですわ。わざわざ菊ちゃんを持ち出してきて、あたしを駄目な女の見本にしようとしたのですわ。
やだなあああぁ~。。。それはレンゲさんの考えすぎですよ。僕は決してレンゲさんが駄目な女だとは思っていませんよ。むしろレンゲさんの天真爛漫なところが素晴しいと思っているほどですよ。うへへへ。。。
なんですのォ~。。。そのイヤらしい笑いわぁ~
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