デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

女は二人でも姦しい PART 3

2008-02-15 15:35:30 | 日本人・日本文化・文学論・日本語

そうでござ~♪~ますわ。権力と言うものは時には惨(むご)い事をするものですわ。『ひまわり』の中では戦争がジョバンナとアントニオの幸福な生活を引き裂いてしまいましたが、『伊勢物語』では権勢欲しさに藤原基経さまが高子さまと業平さまの仲を引き裂いてしまったのでござ~♪~ますわ。

そうだったのですか。。。それで、卑弥子さんは、さらに業平さんに対する思いを強くしていったのですわねぇ?

そうですわ。あたくしは業平さんに対して同情以上のものを感じ始めたのでござ~♪~ますわ。

それで。。。それで。。。業平さんと切っても切れない仲になろうと決心したのは。。。?

それは、母(紀静子)からの手紙がとどいたときの事でしたわ。『伊勢物語』の中には次のように出ているのでござ~♪~ますわ。


 
卑弥子の秘め事





斎宮(いつきのみや)は親元から、
くれぐれも丁重に
おもてなしをしなさい、
と言われていたものだから、
在原業平(ありわらのなりひら)を
心を込めてもてなしました。


朝には狩の支度を手伝って
業平を送り出し、
夕方戻ってくると、
斎宮はひとつ屋根の下の
“離れ”に彼を迎え入れたのです。

業平は初めて彼女の姿を
目にした時から逢いたいと
思っていたので
二日目の夜、
斎宮に密かに言ったのです。
「お逢いしたい」と。。。
斎宮も逢いたくない
と言えば嘘になる。
でも、とにかく人目が多く
思うに任せない。

業平は正使なので、
“離れ”と言っても、
斎宮の寝所の近くに
床をとっていました。

神に仕える女の身の上を思えば
逢うことなど絶望的でした。
業平はあきらめかけていました。
でも、なかなか寝付かれない。

ふと外に目をやると、
真夜中の朧(おぼろ)な
月明かりのなか、
童女を先に立てて人が立っている。
皆が寝静まるのを待って
やってきた斎宮でした。
業平は信じられないと思いつつも、
丁重に自分の寝所に
女を導いたのです。

それは、長いようで短い、
短いようで長い密会でした。
でも、じっと二人の様子を
見ていた者が居たなら、
およそ2時間ほど二人は
一緒に居たかもしれません。



斎宮は後ろ髪を引かれる
思いがありましたが、
それ以上一緒に居ることは
出来ないと思い帰ってゆきました。
業平にしてみれば、
もっと女を引き止めておきたかった。
まだ満足に語り合ってもいない。
業平は切なさに
一睡もできませんでした。




『愛と性の密会 (2007年1月31日)』より



この親元と言うのはあたくしの母の事なのですわ。女の幸せを願う母親の気持ちなのでしょうね。恐らく母は業平さんにも、それとなく声をかけていたのだと思うのでござ~♪~ますわ。

つまり、卑弥子さんのお母さんは卑弥子さんが業平さんを慕っている事を知っていたのですか?

そうだと思いますわ。あたくしが心ひそかに業平さまをお慕い申し上げていた事は母には内緒でしたけれど、やはり母親ですもの。。。、あたくしが業平さまにお目にかかっている時の様子などから、あたくしの気持ちを察していたのでござ~♪~ましょうね。あたくしが斎宮として一生独身で終わる事を不憫に思ったのでしょう。

でも。。。でも。。。斎宮は男性と肌を接してはならないと言う厳しい掟(おきて)がありますよね?

ええ。。。あたくしも心得ていたのでござ~♪~ますわ。

それにもかかわらず、卑弥子さんは禁を犯してまで一線を踏み越える決心をしたのですか?

そうですわ。もし伊勢に本当に神様がおられるのであれば、あたくしは伊勢の神様のお導きで業平さまとあのような形で巡り逢う運命だと思いましたわ。

つまり、神のお導きだと。。。

そうでござ~♪~ますわ。

でも。。。でも。。。歴史家や文学者の中には、そのような事は起こらないのではないかと言っていますわ。。。

なぜでござ~♪~ますか?

業平さんは平城天皇と桓武天皇の孫とはいえ、斎宮の父親の文徳天皇よりも年上ですわ。しかも、臣下の業平さんと、未婚の内親王である斎宮が、事実恋におちるだろうか?そのような事はありえない、と信じ込んでいる人たちが多いのですわ。

レンゲさんも信じられないと思っているのでござ~♪~ますか?

あたしは正直なところ半信半疑ですわ。信じようとしているあたしも居れば、疑っているあたしも居ますわ。

しかし、身分だとか年齢の開きなどは、ほんの表面的なものでござ~♪~ますわ。『エマニエル夫人』だってそうでしょう?老紳士マリオはエマニエル夫人とは40才も年が離れているのでござ~♪~ますわ。これまでの歴史を振り返ってみても、年齢や身分を越えて恋に落ちたカップルはたくさん居ますわ。また、あたくし以外にも斎宮であった女性が恋に落ちたケースはあったのでござ~♪~ますわ。デンマンさんが次の記事の中で斎宮であった当子(まさこ)内親王と藤原道雅(みちまさ)の悲恋の事を書いていますわ。

■ 『愛と性に萌えて (2007年2月7日)』

ええ。。。あたしも読みましたわ。でも当子(まさこ)内親王と藤原道雅(みちまさ)が一線を踏み越えたのは、当子内親王が斎宮を辞めてからですわ。

つまり、レンゲさんはデンマンさんのように斎宮であったあたくしが禁を犯して殿方と肌を合わせたことを非難するのでござ~♪~ますか?

いいえ、その逆ですわ。わたしは卑弥子さんが、そこまでして業平さんとの愛を貫き通した事に感動したのですわ。

レンゲさんは、本当にそう思ってくださるのですか?

もちろんですわ。

ありがたいですわ。あたくしはレンゲさんならば、きっとあたくしと業平さまの恋を理解してくれると思っていたのでござ~♪~ますわ。 

どうして。。。どうして。。。そう思われたのですか?

あたくしは次のレンゲさんの詩を読んで感動したのですわぁ。


身も心も一つになって

2007-04-10 20:34



わたしは目をつむったけれど
あなたも欲情していることを
感じ取ることができたわ
あなたが以前にも増して
わたしを求めている事がうれしかった
そして、それはわたしを安心させたの

ひんやりとしてきたので
ちょっと目を開けてみると
あなたはじっとわたしのアソコを見ていた
やがて、わたしの花芯に指先を這わせる
覆いかぶさるようにしてわたしにキスをしながら
あなたは優しく愛撫を続ける



二人の唇が重なり
舌が絡み合う
愛しい思いに駆られながら
わたしは接吻に思いを込める

背筋を走る快感にやがて耐え切れず
わたしは小さなうめきをもらして
あなたの背中にしがみついたわ

無意識に腰が揺れる
あなたの指先がするりと中に入ってくる
その繰り返しにわたしは翻弄される
愛撫の嵐に
わたしは狂おしいまでに身悶える

「もう… 駄目…」
息も絶え絶えにわたしが叫んだとき
あなたはわたしの中に入ってきた

既に愛液があふれていたわたしは
あなたをやすやすと全身で受け入れていた
あなたも全身でわたしを感じ取ろうとするように
わたしの奥の奥まで入り込もうとする

わたしは膝を立て
あなたを迎え入れようと腰を浮かせる
あなたは両手で
わたしの手のひらを固く握りしめている
その手の結合と下半身の結合が
同時に前後に揺れる
揺れるたびにわたしはかすれた声を
漏らさずにはいられない




身体の中が溶けてしまいそう
頭の中がカスミかかったように
真っ白になってゆきそう
この密着感は何なのだろう

わたしはからっぽになった頭の奥で考える
まるで、すっぽりと空いた自分の空洞に
ちょうど一つしかない鍵を合わせるように
あなたはわたしの中に密着している

自分の身体の中からは
汲んでも汲んでも涸れない
泉のような熱いものが流れ出てゆく
二人が一つになっている部分からは
ひそやかな湿った音がもれ
わたしの情感をよりかきたてる

「ああぁ~…」
不意にあなたがうめく
あなたの動きが激しくなる
わたしも嵐に巻き込まれる船のように
無意識に動きを合わせる
わたしの中であなたそのものが
激しく躍動する
鼓動が高鳴る
愛欲が激しくぶつかり合う
欲情が突き上げてくる



ああぁ~
今までにない激しい官能の疼き
身も心も一つになって激しく蠕動する二人
堪え切れなくなって登りつめたその極みで
あなたは激しく果てる
そしてわたしを初めて深い
底知れぬ悦楽へといざなう

ああぁ~ あなた、愛しい人
わたしをこのまま離さないで

by レンゲ




『萌えたい女 (2007年6月28日)』より


このレンゲさんの詩を読んで、長いこと表現しようとしていた業平さんと身も心もひとつになって浸った喜悦の事をレンゲさんがあたくしに成り代わって言い表してくれたように思ったものでござ~♪~ますわ。

ほんとうですか?

そうですわ。あたくしは、自分とちょうど同じような悦楽に浸った女性がいることを知って、この人ならばあたくしの気持ちが分かってくれると思ったものでござ~♪~ますわ。

そうだったのですか?知りませんでしたわ。

しかも、あたくしが“渡れど濡れぬ”と詠んだ歌の真意をレンゲさんは充分に分かってくれたのでござ~♪~ますわ。

卑弥子さんに、そう言ってもらえてうれしいですわ。

あさってもデンマンさん抜きで、ぜひこの続きを語り合いたいものでござ~♪~ますわ。


【レンゲの独り言】



あたしもそのつもりですわ。
デンマンさんは、勝手に逃げてしまったのですから、
このお話が一段落つくまでは、戻ってきたとしても
遠慮していただきますわ。

とにかく、あさって卑弥子さんと“女の悦び”について、もっと語り合おうと思っています。
あなたも、また読みに戻ってきてくださいね。
では、また。。。


メチャ面白い、

ためになる関連記事





■ 『きれいになったと感じさせる

下着・ランジェリーを見つけませんか?』


■ 『ちょっと変わった 新しい古代日本史』

■ 『面白くて楽しいレンゲ物語』



■ 『カナダのバーナビーと軽井沢に

別荘を持つことを夢見る小百合さんの物語』


■ 『今すぐに役立つホットな情報』

■ 『 ○ 笑う者には福が来る ○ 』




デンマンですよ。

こう言う事になってしまったのですよね。

僕もイヤ~♪~な予感がしたのですよ。

レンゲさんと卑弥子さんが意気投合したら

大変な事に成るとは思っていたのですが、

本当に、そのようになってしまった感じですよね。

あさって僕が顔を出しても、

このぶんだと拒絶されそうですよね。

どうしたら良いのか考えているところです。

ところで、これまで書いたレンゲさんの記事を集めて

一つにまとめました。

もし、レンゲさんの記事をまとめて読みたいならば、

次のリンクをクリックしてくださいね。

■ 『最近のレンゲ物語 特集』



とにかく、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしてくださいね。

じゃあね。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マイペース人生 | トップ | 女は二人でも姦しい PART 2 »

コメントを投稿

日本人・日本文化・文学論・日本語」カテゴリの最新記事