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沈んだ太陽(PART 3 OF 3)

2012-06-05 22:09:49 | 病める日本・高齢化社会

沈んだ太陽(PART 3 OF 3)


 


小倉寛太郎は、山崎豊子の小説『沈まぬ太陽』における主人公のモデルといわれる。
東大時代から学生運動で鳴らした小倉は、入社後も、その過激な組合活動で知られた。

JAL社内で伝説的に語られるのが、首相フライトのストライキ騒動だ。
松尾静麿が社長に就任して2年目の1962年11月のこと。
ときの首相、池田勇人が欧州へ外遊した。


(ikeda02.jpg)

その際、運行ストをちらつかせ、労働条件の改善を迫ったのが、小倉委員長率いる日本航空労働組合(日航労組)である。
あわや首相フライトを止められそうになったJALの経営陣は、それ以来、労使問題がトラウマになる。
現在、8つある組合問題の原点だ。

小倉はその後、パキスタンのカラチやケニアのナイロビへ左遷された。
それを本社へ引き戻したのが、伊藤人事だった。
1986年4月、小倉は会長室部長に就任。
伊藤(淳二・会長)の側近として仕える。
と同時に、伊藤は小倉委員長時代の日航労組書記長を運航本部業務部長に据えた。

赤字はデンマンが強調のため。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)




50ページ 『腐った翼』
著者: 森 功
2010年7月10日 第2刷発行
発行所: 株式会社 幻冬舎


 



この伊藤会長は結局、組合統合を果たせなくなり、挫折してしまう。 会長室も閉鎖されて会長室部長になった主人公はまたナイロビに左遷されてしまうのですよ。



『沈まぬ太陽』というタイトルからはハッピーエンドを期待してしまうのですけれど、そのようにはならないのですね。

その通りですよ。 だから、僕はこの記事のタイトルを「沈んだ太陽」にしたのですよ。

。。。で、いったい何が問題だったのですか?

あのねぇ~、伊藤会長や小倉寛太郎氏の想像も及ばないところに大きな問題があった。 それは第5部の次の箇所に出てくる。

 


竹丸とインドネシア利権は、脳梗塞で倒れた田沼が総理大臣だった頃から、太いパイプでつながっていた。
インドネシアの国威発揚のために、首都ジャカルタに建設された超高級ホテルやショッピングセンター、首都環状高速道路等々---、それらの多くは日本のODA(政府開発援助)によって賄われ、その度に“マダム・テンパーセント”と囁かれている大統領夫人をはじめとする一族、大統領の政権と共に発展してゆく華僑たちから、田沼、竹丸ら日本の政治家へしかるべき額のキックバックがなされていた。

 (中略)

(社外取締役)池坊は、隠密裏に来日した大統領側近ナンバーワンの企画大臣に「竹丸先生は、謝意など不要と云われたらしいが、最後はやはり金ですよ」と云い、10年のドル先物予約と、円の先物予約をクロスさせる“仕組み”を打ち合わせたのだった。
アメリカ留学で経営学修士を取得した企画大臣は、説明すると、なるほどと感心し、諒承したのだった。

10年先物予約の相手など、いかに外国為替の市場規模が大きくなったとはいえ、おいそれとは見つからない。
日米の金利差で、計算上、出てくる理論値など、期間が長びけば長びくほど、あってなきが如きというのが現実であった。
それなればこそ、インドネシアとの“仕組み”も、尻尾を掴まれることなく成立する。

まず産銀の東京本店から、10年先物のドル買いを、産銀ニューヨークにオーダーさせる。
先物レートは日米の金利差から算出した理論値を用いて、平均レートを185円に設定し、その取引の玉(ぎょく)の相対先をインドネシア最大の民間銀行であるガルーダ銀行のケイマンの現地子会社とした。
ケイマン諸島は、カリブ海に浮かぶイギリス領であるが、租税回避地(タックス・ヘイブン)となってからは、世界の企業・投資会社が、現地法人を置くようになった。



(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています)




205-208ページ
『沈まぬ太陽 (五)』
著者:山崎豊子
1999年9月10日 第1刷発行
発行所: 株式会社 新潮社


 



つまり、黒幕である日本航空の社外取締役が金丸副総理とグルになって日本航空を喰い物にしたというのが真相なのですよ。 上のような“仕組み”が失敗して日本航空は大きな穴を開けた。



その穴をどうやって埋めたのですか?

粉飾決算が長期にわたって行われた。 それが元で日本航空は倒産してしまった。

つまり、黒幕と政治家が日本航空を私物化していたのですか?

そうです。 その付けが日本国民に回されたのです。 自分だけの私服を肥やす悪い奴がどこの組織にも常に居るものですよ。 日本航空の倒産では社外取締役と金丸副総理。 『蝉しぐれ』では海坂藩の家老・里村。 そして『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』では「カーヴァー・メディア・インターナショナル」の総帥でメディア王・エリオット・カーヴァーですよ。

そのメディア王というのはモデルになる人が居るのですか?

居ますよ。 あの悪名高きメディア王・ルパート・マードック(Rupert Murdoch)ですよ。



【卑弥子の独り言】


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ですってぇ~。。。
そうですわよね。
どの組織にも、必ず私服をこやしたり、権力欲に駆られて組織を私物化する悪い人物が幅を利(き)かせてくるものでござ~♪~ますわ。
アメブロにも独断と偏見で「言葉狩り」や「写真狩り」をするファシスト管理人が居ります。
まるでヒトラーのように物言えぬ組織にしているようですわ。
だから、誰も「愚かな言論統制」を注意する人が居ないのでござ~♪~ます。

あなただけは、私服をこやしたり、権力欲に駆られて組織を私物化するような事がないようにしてくださいまし。

とにかく、次回も興味深い記事が続きますわ。
だから、あなたも、また読みに戻ってきてくださいね。
じゃあ、また。。。





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ィ~ハァ~♪~!

メチャ面白い、

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(linger65.gif)

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こんにちは。ジューンです。

会員数が多くても実際に活動している会員は

少ないところもあります。

言葉狩りや写真狩りをしているサイトは当然嫌われます。

どうして会員数を誇示しようとするのでしょうか?

会員数が多ければ広告主に対して

広告の効果をアピールすることが出来るからです。

でも、デンマンさんが説明したように

冬眠中の会員が多いところはすぐに判ってしまうのですよね。

アメブロも、会員数にだいぶこだわっているようです。

2000万人どころか、1000万にも居ないということを

次の記事の中で分かり易くデンマンさんが説明しています。

面白いですからぜひ読んでみてくださいね。

『ファシスト管理人』

では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょう。

じゃあ、また。。。



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