デンマンのブログ

デンマンが徒然につづったブログ

ヒミズ

2021-01-04 03:16:49 | 日本人・日本文化・文学論・日本語


 

ヒミズ

 


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デンマンさん。。。、「ヒミズ」というのが「もぐら」のことだと知ってましたァ〜?


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いや、知りませんでした。。。この言葉を先日初めて見た時に、僕は東北地方の方言だと思ったのですよ。。。でも、仙台で暮らしたことがあるけれど一度も聞いたことがない。。。それで僕がいつも使っている三省堂の新明解国語彙辞典で引いてみたけれど、出てませんでした。

上の画像はどこからコピーしたのですか?

実は、バンクーバー市立図書館でDVDを借りて次の映画を観たのです。。。上の「もぐら」の画像はこの映画の中に出てきたのですよ。。。

 


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『拡大する』

『実際のページ』


 



あらすじ


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中学生にして貸しボート屋を営む住田祐一は、不遇な現実を諦観しつつも、平凡な生活を送ることを夢見ていた。

ところがある日、かつて蒸発するも戻って来た父親がらみで暴力団から暴行を受ける。

しかも母親が中年男と駆け落ちして失踪したことを機に孤立無援となった挙句、それに耐え兼ね父親を衝動的に殺害するという取り返しのつかない事態に陥り、天涯孤独の身となる。

住田は普通の人生を送ることを諦め、「悪い奴」を殺すべく、夜の街を徘徊するようになる。

茶沢景子は住田が天涯孤独になる以前から気にかけており、彼が殺人行動を起こしたことを知ってもなお救い出そうとする。

しかし、茶沢の想いとは裏腹に、住田の人生は深い絶望に落ちていった。

 






出典: 「ヒミズ (漫画)」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』




デンマンさんは12月27日に観てコメントを書き込んだのですわねぇ〜。。。



そうです。。。

。。。で、今日は「もぐら」の話をするのですか?

「もぐら」は誰でも知っているでしょう。。。特にモグラのことでは話すことはありません。。。せっかく上の映画を持ち出してきたのだから、映画の話をしますよ。。。

上の予告編を見ると、映画祭でもかなりの反響があったようですわねぇ〜。。。

そうらしい。。。原作は同名の古谷実さんが描いた漫画です。。。2001年から2003年にかけて『ヤングマガジン』(講談社)に連載されたのです。。。

それを映画化したのですか?

そうです。。。でも、映画化にあたっては背景に2011年の東日本大震災の爪痕を使っていたり、多くの登場人物の年齢や設定が変わっているらしいです。。。

デンマンさんは原作の漫画も読んだのですか?

いや。。。僕は漫画はほとんど読みません。。。子供の頃から漫画を読む習慣がなかったのですよ。。。だから、大人になってからも読みません。。。僕の子供の頃は大人は漫画を読むものではないという風潮があって、だから、1990年代に日本へ毎年帰省するようになり、電車の中でサラリーマンが分厚い「少年ジャンプ」なんかを堂々と広げて読んでいるのを見た時には驚きましたよ。。。

日本では話題になった漫画なのですか?

そうらしい。。。2004年にはOi-SCALEプロデュースで舞台化され、2007年7月には山崎燕三さんによる小説版が刊行されたのです。。。そのあとで、2012年には園子温監督により映画化されたのですよ。。。

日本での映画の評判はどうだったのですか?

原作が暗い虐待やイジメ、殺人、ヤクザの金貸しなどを扱う漫画だったので、その影響で日本での評判は良くなかったらしい。。。とにかく、2012年映画芸術・日本映画ワーストテン2位に選ばれたほどだったから。。。

ワーストテんですか? つまり、最悪の映画の次に悪い映画ですか?

そうです。。。でも日本国外の映画祭では高く評価されたのですよ。。。出演した染谷将太と二階堂ふみは第68回ヴェネツィア国際映画祭で新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞したのです。。。

デンさんは観てどう思いました?

僕は全く前知識がなくて初めてこの映画を観たのだけれど、衝撃的だけれど、日本の世相を反映したいい映画だと思いましたよ。。。日本では、1990年代だったか?。。。ある時期、14歳の少年や12歳の少女が殺人を犯すような事件がけっこうありましたからね。。。15歳という設定で演技をした染谷将太と二階堂ふみは、確かに素晴らしい演技を見せていましたよ。。。感動的でした。。。国外で新人賞をもらったというのも素直に頷(うなづ)けました。。。

。。。で、デンマンさんは映画のどこに注目したのですか?

僕はいつものように字幕を見ながら映画を観たのです。。。北米に輸出される日本の映画はまず間違いなく英語の字幕がついてますよ。。。

アメリカの映画を見るときにもデンマンさんは英語の字幕を見ながら観るのですか?

もちろん。。。アメリカの映画でも、たいてい聴力のない人のために英語の字幕が用意されているのですよ。。。

それで字幕に違和感を感じたのですか?

そうです。。。次の3つのシーンを見てください。。。

 


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I know flies in milk.

俺には分かる。ミルクの中のハエ。



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Specks against white.

その白と黒とはよく分かる。



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I know. I know it.

俺には分かる。俺には分かる。


 



この上のシーンに登場しているのは15歳の茶沢景子を演じている二階堂ふみさんです。。。映画の冒頭に出てくるのですよ。。。



景子さんは日本語で「俺」と言うのですか?

そうです。。。もちろん、景子さんは性同一障害の女の子ではない。。。ごく普通の中学3年生の女の子です。。。でも、何も知らないでこの映画を見ると、日本人ならば、ちょっと違和感を感じると思うのですよ。。。普通15歳の女の子ならば「私」とか「あたし」あるいは一部の封建的な上流社会の女子ならば「わたくし」と言うと思うのです。。。もちろん、戦前の山村などに行くと女の子でも「オレ」と言っていた村があったらしい。。。

あらっ。。マジで。。。?

そう言う昔の映画を見たことがありますよ。。。

。。。で、何で景子さんは「俺」と言ったのですか?

実は、彼女はクラスメートで15歳の住田祐一にとりわけ惹かれており、彼が話した語録を自分で作っていたのです。。。景子さんは、その語録を読みあげているのですよ。。。

。。。で、デンマンさんは、どういうわけでこのシーンを取り上げるのですか?

僕は初めて景子さんが「俺」と言った時に、やはり違和感を感じました。。。ちょっとギョッとして「なぜ?」と思った。。。でも、よく見ると単行本みたいなものを手に持っているから、その本にある文章を読んでいるのかな?。。。そう思ったわけです。。。つまり、字幕を見ながら実際に景子さんが話している言葉を聞いたから、僕はぎょっとしたのですよ。。。

字幕と話し言葉の違和感ですか?

それもあるけれど、もし日本語が全く解らないカナダ人がこのシーンを観ていたら、何も違和感を感じなかったはずです。。。つまり、英語では男だろうが女だろうが子供でも、年寄でも皆、自分のことを「I」と言う。。。ところが、日本語では「I」は次のように、いろいろな訳し方がある。

 


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私、俺、アタイ、僕、ワシ、オイラ、うち、

おい、おいどん、わちき、手前、わたくし、

みども、朕(ちん)、麻呂(まろ)


 



性別によっても、身分によっても、育ちによっても、時代によっても、人それぞれ言い方がみな違う。。。



なるほどォ〜。。。つまり、日本語の解らないカナダ人が上の映画を見たら、景子さんが自分の言葉で自分の感じたままを喋っていると思うのですねぇ〜。。。

そういうことです。。。

上の映画を見て、その事に気づいたのですか?

もちろん、それだけじゃありません。。。次のシーンも見てください。。。

 


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It never was yours.

この貸しボート屋はオマエのものだったことはないよ。



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You moved in and wouldn't leave.

オマエがやって来て、いついてしまったんじゃないか。



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Who do you think you're talking to!

オマエは誰に話していると思ってるんだ!



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Don't call me you!

俺のことをオマエと呼ぶな!



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Call me Dad, come on!

とうさんと呼べ、いいか!分かったか!



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I wish you'd died that day.

あの日(池で溺れかけた時)、オマエは死ねばよかったんだ。



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Every time you get drunk, you no-good wino.

酔っぱらってる時はいつでも、オマエはろくでもない奴なんだよ!


 



親子の口喧嘩のシーンですか?



そうです。。。口喧嘩と言うよりもオヤジが子供を虐待しているシーンですよ。。。

 


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でも、父親に対して「オマエ」と呼ぶのは、ちょっと常識はずれではありませんか?



僕がもし、このようなオヤジを持ったら、間違いなくこの場面では「オマエ」と呼びますよ。。。

あらっ。。。この父親はそれほどひどい男なのですか?

映画を見てください。。。ジュンコさんも必ず子供の方に同情しますよ。。。

。。。で、この字幕の中にデンマンさんは、また違和感を感じたのですか?

そうです。。。次のシーンですよ。。。

 


(himizu15.jpg)

Don't call me you!

俺のことをオマエと呼ぶな!


 



日本語が全く解らないカナダ人がこの字幕を見たら、「you」と呼ぶのがなぜ悪いのか? 全く理解できないはずですよ。。。



そうですわねぇ〜。。。「あなた」と呼ぶな!では、カナダ人は首を傾げると思いますわァ〜。。。日本語で父親を「オマエ」と呼ぶのは常識はずれですけれど、字幕を見る限り、この「オマエ」というニュアンスは上の字幕には含まれていませんものねぇ〜。。。

そうなのですよ。。。映画の最後のクレジットを見たら、この字幕を担当したのは日系2世か3世の人なのですよ。。。「オマエ」を英語に訳そうとしても「you」しか無いと思って、仕方がないので上のような字幕にしたのでしょうねぇ〜。。。

デンマンさんならどう英訳しますか?

次のように英訳しますよ。。。

 


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Don't call me "Hey, you"!

俺のことをオマエと呼ぶな!


 



僕は、実際にこのように相手を呼んで相手をムカつかせたことがあるのですよ。。。



あらっ。。。デンマンさんはお父さんに向かって"Hey, you!" と言ったのですか!?

いや。。。父親に英語で言ったわけではありません。。。僕がまだトロントで暮らしていた20代の頃、「カナディアンタイア」の店でカウンターを前にして並んでいたら、僕の順番になったのに割り込んできたお客に女店員が対応しようとしたのですよ。。。だから僕は"Hey, you!" と言って、「何で並んでいた僕を差し置いて割り込んできた客に先にサービスするのか!?」と怒鳴ったのですよ。。。

そしたら。。。?

「あんたに、"Hey, you!" と呼ばれる理由はないわア!」と顔を赤くしてムカつきましたよ。。。理屈の分からない女店員でも、"Hey, you!" と呼ばれると、これだけムカつくのだから、カナダ人の父親が子供に そう呼ばれたら、どういう反応を示すのか? 想像するに難(かた)くないですよ。。。



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【ジューンの独り言】


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ですってぇ~。。。

あなたも、父親に対して「オマエ」と呼んでムカつかせたことがありますか?

ええっ。。。 「そんなこと言ったら殺されるよ! そんな事はどうでもいいから、他に何か面白いことを話せ!」

あなたは、そのように わたしにご命令なさるのですかァ~?

分かりましたわ。。。 じゃあ、面白い動画をお目にかけますわ。。。

ワンワンちゃんが人間の言葉をしゃべります!

 


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ええっ。。。? 「そんな馬鹿バカしい動画など、どうでもいいから、何か他に面白い話をしろ!」

あなたは、また そのような命令口調で わたしに強要するのですか?

わかりましたわァ。。。

では、たまには日本の歴史の話も読んでみてくださいなァ。

日本の古代史にも、興味深い不思議な、面白いお話がありますわァ。

次の記事から興味があるものをお読みくださいねぇ~。。。


天武天皇と天智天皇は

同腹の兄弟ではなかった。


天智天皇は暗殺された

定慧出生の秘密

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今、日本に住んでいる人は

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ところで、他にも面白い記事がたくさんあります。

興味のある方は次の記事も読んでみてくださいね。

 


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