杜の都のおばさんパンツ (PART 1 OF 3)
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女は下着で勝負する

A子: ねえ、ねえ。。。『週間女性○○』のOLアンケートを見た?
B子: 何のアンケート?
A子: 「あなたの勝負の下着の色は?」というものよう。
卑弥子: 。。。んで、1位は何色でござ~♪~ましたの?
A子: 1位は黒なのよう。2位がピンクで、3位が白だってぇ。。。
B子: やっぱり勝負をかける時には気合の入った下着で身を引き締めちゃうのよねぇ~
卑弥子: でも、B子の言う勝負って、具体的に何なのよう?
B子: 卑弥子はいつも鈍いのねぇ~、そんなこと決まってるじゃないのォ~。彼氏と初めて結ばれるときの事よォ~!
A子: わたしはいつも勝負の下着を穿いてるわ。うふふふ。。。
B子: A子、それってマジィ~?
A子: あたしはいつでも臨戦体勢なのよう。うしししし。。。
卑弥子: 。。。んで、今日はどんな勝負の下着を穿いてるのでござ~♪~ますか?うふふふ。。。
A子: 卑弥子ォ~、あなた、見たいィ~?
卑弥子: そうねぇ~。後学のためだわ、見せてくれるのならば、ぜひ見たいわ。
A子: タラぁ~♪~

卑弥子: あらっ。。。いいわぁ~。。。高そうねぇ~。。。でも、ちょっとォ~スケスケでござ~♪~ますわよう。
A子: でも、これってぇ、マジで男にウケルのよう。
B子: そうかなぁ~。。。そうゆうのよりも、“ひもパン” がイイって言う男の子は意外に多いわよォ~。

A子: わたし、ひもパンの時には清純なピンクで大胆に迫るのよう。
B子: ひもパンってぇ~、Tバックと並んで男の好みが分かれるアイテムよねぇ~。
A子: ひもをスルッと解く感じが好きって男も居れば、遊んでるっぽくってイヤだって言う男も居るのよねぇ~。
B子: 最近、わたし、太っちゃってぇ、脱ぐのが楽だからひもパンにしてるのォ~。そう言う子も、けっこう多いと思うわ。勝負の下着というよりも生活必需パンツよねぇ~。
A子: わたしの同僚の中には、いろんな色の下着をもっていて、その時の決断によって色を決める子がいるわよう。
卑弥子: 決断ってぇ、どのようにでござ~♪~ますか?
A子: 「今日は絶対にエッチまでいかない」と決めた時には赤で、「もしかして、気分しだいでエッチにいってもいいわ」と決めたときには黄色。そして、「今日は、思いっきりエッチして汗を流そう」。。。そうゆう時には青なんだってぇ~。うふふふふ。。。
卑弥子: あのォ~。。。それってぇ、信号の色と同じでござ~♪~ますわねぇ。おほほほほ。。。
A子: そうなのよう。だから、その子のパンツは「信号機パンツ」なのよう。うしししし。。。
B子: わたしの後輩は、大好きな男の子がブルマー好きなのよう。それを聞いてから、勝負の下着をブルマーにしたんだってぇ~
卑弥子: ブルマーって、ダサくてイヤだと言う人だって居るのよォ。特に、ゴムが片方切れてビヨーンとなったのを見ると、全くやる気が無くなってしまうんだってぇ~。あたくしの知り合いに、そうゆう人が居るのよう。
B子: でもねぇ~、わたしの後輩は、飲み会で、「わたし、いつもブルマーなんですよう」って言ったら、あっと言う間に意気投合してたわよう。
A子: そうゆう時って幸せよねぇ~。惨(みじ)めなのは、勝負をかけて臨んだのに、勝負の下着にまったく興味を示してくれない男よう。そうゆう時って、マジで惨めな気持ちになるわぁ~。
B子: それって、通販で買った安い下着じゃなかったのォ~?
A子: 違うわよう。ワコールの結構、高かったハイセンスなパンツだったのよう。
B子: 通販下着と言えば、スケスケとか、穴の開いたのとか。。。かなりエロいものがあるわよねぇ~。
A子: 実は、わたし、不倫の彼氏にせがまれて、穴の開いたのとか、ガーターベルトとかしたことあるのよォ。な~んか、自分が高級コールガールになったような気がしてきてメチャ萌えたわよう。うふふふふ。。。
卑弥子: あたくしは、あんまりセクシーな下着は抵抗がありますわ。穴あきなんて、なんだか自分が虐(しいた)げられているような気分になりますわよう。A子は、そうならないのォ~?
A子: 好きな人にせがまれたら、絶対に、そんなこと無いわよう。もう、萌え萌えになってしまうのよう。
B子: そうかもねぇ~。安物の通販下着よりも高くてセクシーな下着なら、自分に自信がつくし、いつもはできない事もできちゃうかもねぇ~。
卑弥子: 。。。んで、B子は下着にどれぐらいお金かけてるの?
B子: 2万から3万円ぐらいのパンツを買う事もあるわよう。
卑弥子: ええっ。。。パンツにそんなにお金をかけちゃうのォ~
B子: そうよ。わたしはデパート派だけれど、買い物ついでにデパートの下着売り場に寄ると、結構、混んでいるのよねぇ~。そこで他の女性の好みなどを観察するのも楽しいものよう。
卑弥子: どのように。。。?
B子: 「ええっ。。。こんな清楚な子がそんな大胆なパンツ?」 この子の彼氏ってどんな人かしら。。。?「ええっ?こんなおばさんが、ひもパンなのォ~?」 旦那さんのためじゃなくて、不倫の彼氏のために買っているのかなァ~?。。。そんな風に、何も買わなくても楽しめるわよう。
A子: そうよねぇ~。この子が、こんな大胆なものを買うなら、わたしもって時があるわよねぇ~。
卑弥子: 。。。んで、A子もB子も付き合っている彼からパンツをプレゼントされた事ってあるゥ~?
A子: わたしは、不倫の彼から、アソコに穴の開いたものをプレゼントされたわ。ちょっとヤらしいと思ったけれど、彼とまた萌えることができると思うとうれしかったわよう。うふふふふ。。。
B子: わたしは、元上司のおじさんからレースのパンツをもらったけれど、なんだか気味が悪くなって妹に上げてしまったわ。。。で、卑弥子はどうなの?
卑弥子: あたくしの好きな男性からおばさんパンツをもらったのォ~。

A子: この写真のおばさんパンツがそれなのォ~?
卑弥子: そうなのでござ~♪~ますわ。あたくしに似合っているゥ~?
B子: 通販下着よりはマシじゃないの?
A子: でも、おばさんパンツって、やっぱりダサいわよう。
卑弥子: あたくしも、そう思ったのよう。でも、その男性は、「とっても似合っているよ」と言って褒めてくれたのよう。それで、ついつい身につけるようになったのよう。
B子: A子は古くなった勝負の下着はどうするのォ~?
A子: ヨレヨレになっても捨てられないのよねぇ~。
卑弥子: どうしてでござ~♪~ますか?
A子: だってぇ~、「歴戦の勇士」として大切に保存しておきたいのよう。「ああぁ~、あの頃は、恥じらいながらも勇敢に勝負を挑んだのよねぇ~」って、しみじみと見つめてしまう事ってあるのよう。
卑弥子: ふ~ん。。。勝負の下着の数々で過去の恋愛を記録しているのでござ~♪~ますわねぇ~?
A子: そうなのよう。ヨレヨレになった勝負の下着は捨てがたいものなのよう。恋愛に夢とロマンを見出す女の性(さが)なのよねぇ~。

このA子さんとB子さんは、一体どういう人ですか?

あたくしの女子大時代の仲の良いお友達なのォ~。B子は、貿易商社を経営している小さな会社の社長夫人に納まっているのでござ~♪~ますわ。
それで、A子さんは。。。?
あたくしと同じで、まだ独身でござ~♪~ますわ。ある出版社で編集の仕事をしていますわ。同窓会の2次会のつもりで、あたくしのマンションで夜通し話し込んだのでした。
あのねぇ~、確かに、最近の30代の女性の生態が分かりましたよう。「下着とランジェリーは女が勝負するための最後の砦ですわぁ~」と言う、女の本音も分かりました。でもねぇ~、A子さんの話を聞いていると、戦勝記念というよりも、ヨレヨレになった勝負のパンツを負け戦(いくさ)の名残(なごり)として大切にしまっているように見えて、なんだか惨(みじ)めったらしいのですよう。とても手を叩いて応援してあげる気分になれない。
そうでござ~♪~ましょうか?
ニューヨークの5番街のサックスで叔母さんが買ったと言う土産のホットパンツ。18歳の奈緒子さんは、そのパンツを大切な人のためにと身につける。これから人生の春を迎えようとする奈緒子さんの晴れがましさが感じ取れる。次の年賀状を読んでも分かるでしょう?
杜の都に桜咲く

ご苦労様、ありがとうございます。
デンマンさんに描いていただいた
わたしのヌードは
のびのびした表情をしていますね。
それまで「鳩胸でっちリ」と言われて
イジメられてばかりいました。
劣等感の塊のようになっていた
みすぼらしいわたしを、
デンマンさんは素敵だと言ってくれました。

あのホットパンツは
叔母がニューヨークへ行った時に
5番街のサックスで買ってきてくれた
おみやげです。
大切な人のために穿こうと決めていました。
恥ずかしかったけれど、
デンマンさんの目の前で
一糸まとわぬ姿になって、
本当に良かったと思っています。
わたしは初めて
自分の体に自信がもてました。
デンマンさんにヌードを描いてもらって
褒められて、
なんだか大人になったようで
冗談ぬきで、
舞い上がるようないい気持ちです。
デンマンさんの目の前で
思い切って
裸になってよかった・・・
でも、デンマンさんは少々わたしのことを、
買いかぶっておられるんじゃないかと、
少し不安です。
わたしがデンマンさんの“心の恋人”足り得るか・・・
いつか、ガッカリさせてしまうのではないかと、
自分自身の内面を省みて、
心配になっています。
それにしても、わたしは幸せ者です。
桜の咲く杜の都の四畳半で、
わたしはデンマンさんを独占してしまったのですから
本当にありがとうございました。
新年も宜しくお願いします。
奈緒子より
『杜の都に桜咲く (2009年3月20日)』より
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