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ヒッチャー(1986)

2007年09月18日 18時54分44秒 | 洋画1981~1990年

 ◎ヒッチャー(1986年 アメリカ 97分)

 原題/The Hitcher

 監督/ロバート・ハーモン 脚本/エリック・レッド 音楽/マーク・アイシャム

 撮影/ジョン・シール 美術/デニス・ガスナー 衣装デザイン/ジャック・マカネリィ

 挿入曲/ミッキー・ジョーンズ『Don't Stop Loving Me』

 出演/ルトガー・ハウアー クリスチャン・トーマス・ハウエル ジェニファー・ジェイソン・リー

 

 ◎オリジナル版は3時間?

 とかいうことを、なにかで聞いた。

 おっそろい。そんなB級超大作があるんだろうか?

 まあ、なんにせよ、やっぱり元が一番だ。なんの前触れもなく、乗り込んできたヒッチハイカーにいきなり襲われるというのは、怖い。ルトガー・ハウアーなら、なおさらだ。この役者はなんでもこうも狂気に包まれてるんだろう?

 渋さの狂気というのか、形而上学的な狂気というのか、悲しみを秘めた狂気というのがいちばん近いかもしれないんだけど、とにかく、理由は最後までわからない。

 自分を拾ってくれた運転手に、自分を殺してもらいたいがために、家族や警察や、恋の予感のする女までも皆殺しにし、パトカーも護送車もトラックも、ついにはヘリコプターまで木っ端微塵にして、ひたすらクリスチャン・トーマス・ハウエルを恐怖のどん底に叩き込み、徹底的に理不尽な状況に追い込んだ時に生まれてくる殺意を待ち、自分を殺させるという、まったく理解不能な行動におよぶ。

 凄すぎるのは、人物設定や筋の運びだけじゃない。

 映像がものすごく綺麗で、絵になってるんだから、困る。

 このシリーズに出続けたハウエルは、中身のまるで異なる彼の監督作が、本来は洋服会社のエロチック乗っ取り劇にも拘わらず『ヒッチャー95』と邦題されたりして、なんだか、生涯、ヒッチャーに追われ続けるっていう、恐ろしいほどの運命づけをされちゃうのが、ちょっぴりかわいそうな気もしないではないよね。

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