古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の百二十七

2016年07月25日 05時19分08秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十七ページ、上の三~四行目

解読 建並び有之候。其棒之上八合目ニ牛之皮越細くさき

    縄ニ致し彼棒ニ引張有之。是ハ牛豕之肉越干候場所

読み 建ち並びこれ有り候。其の棒の上八合目に牛の皮を細かくさき

    縄に致しかの棒に引っ張りこれ有り。是は牛・豚の肉を干し候場所

説明 (棒木が二百本ばかり)「建並び有之候」・・・「並び」が読みにくい。 「其棒之上」・・・「棒」も何度も出ますが読むのは困難です。 「牛之皮越」・・・牛の皮を。 「彼棒ニ引張有之」・・・牛の皮を綱にして、棒の先へ引っ張り、肉を干す場所にしていると言う事。 「是ハ牛・豕之肉越干候場所」・・・「豕」・・・豚『ぶた』。 「肉越」・・・肉を。 「干候場所」・・・字が小さくて読みにくい。「干候場所」・・・干す場所。


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十六

2016年07月24日 06時33分01秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十七頁、上の一~二行目

解読 荷積致し居候越見物ニ参り候所、荷物ハ弐軒家之門

  先ニ高さ壱丈程廻り壱尺計リ之棒木を凡弐百本計

読み 荷積み致し居り候を見物に参り候所、荷物は二軒家の門

    先に高さ一丈程、廻り一尺計りの棒木を、凡そ二百本計り

説明 「荷積致し居候越」・・・船に荷物を積んでいる様子を。「越」は変体仮名の「を」、「代」の様な字です。 「見物ニ参り候所」・・・「見物」も難しいが、何となく判ります。「参り」も読むのは困難。 「荷物ハ弐軒家之門先ニ」・・・「二軒」の「軒」も最も難しい字の一つです。 「一丈」・・・約三㍍。 「壱尺」・・・約三十㌢。 「計り」・・・『ばかり』・・・ほど。 「棒木」・・・棒の様な丸太の事と思われます。 「弐百本計」・・・二百本ほど。「本」の崩しも難しい。


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十五

2016年07月23日 05時51分43秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十六頁、上の七~八行目

解読 さじニ而春くひ給申候。

    一、前夜濱邊へ揚ら連候濱ニ百五拾石積程之船

読み さじにてすくひ、食べ申し候。

  一つ、前夜浜辺へ揚げられ候浜に、百五十石積み程の船

説明 「さじ」・・・匙。スプーン。 「ニ而」・・・にて。匙で。 「春くひ」・・・すくひ。すくう。すくって飲む。「春」は変体仮名の「す」です。「春」を何故「す」と読むのか判りません。 次の字は難しいが「給」です。「食べる」と同じ用法です。 「前夜濱邊へ」・・・ここでは「邊」が読みにくい。旧字体です。 「揚ら連候」・・・揚げられた。上陸させられた。 「濱ニ」・・・その浜に。 「百五拾石積程之船」・・・百八拾石か百五拾石か迷うところですが、二行前に「七八ツ」と「八」の字が出ていますので、こちらは「五」と読みました。「程」も難しい。


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十四

2016年07月22日 10時17分05秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

 送稿がたいへん遅くなりました、相済みません。

「漂流外国物語」第三十六頁、上の五~六行目

解読 江夫々外ニ魚・鶏之玉子薩摩芋之むし、砂糖・西

    瓜・砂糖之木等給させ、凡鉢数七八ツを出し面々ニ

読み (相見)へ、夫れぞれ外に魚・鶏の玉子・薩摩芋のむし・砂糖・西

    瓜・砂糖の木等食べさせ、凡そ鉢数七八つを出し、面々に

説明 「相見江」・・・相見へ。 「夫々」・・・それぞれ。 「外ニ」・・・他に。 「魚・鶏之玉子」・・・「魚」は兎も角、「鶏之玉子」は読むのは困難です。 「薩摩芋之むし」・・・蒸したサツマイモ。 「む」も変体仮名ですが、難解です。元の漢字は「武」です。 「砂糖・西瓜・砂糖之木等」・・・「等」が読めません。 「給させ」・・・「給」は「食」と同じ使い方です。食べさせ。 「鉢数」・・・これも読みにくい。


第五十九章 漂流外国物語 其の百二十三

2016年07月21日 06時56分23秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第三十六頁、上の三~四行目

解読 一、昼飯之節ハ家之軒巾弐間程之飛さしの屋根

    之下へ牛之皮を敷、右之「トリテヤ」ハ平生之食物と相見

読み 一つ、昼飯の節は家の軒巾二間程のひさしの屋根

    の下へ牛の皮を敷き、右のトリテヤは平生の食物と相見(へ)

説明 「昼飯之節ハ」・・・「節」が難しい。 「家之軒巾」・・・「軒」という字は、最も難しい崩し字の仲間です。 「巾弐間程」・・・軒の巾。ひさしの巾。二間と言うと相当広い軒下になります。 「飛さし」・・・庇。ひさし。「飛」は、変体仮名の「ひ」です。形で覚える。 「牛之皮を敷」・・・「敷」・・・敷き。この「敷」も読むのは困難です。 「トリテヤ」・・・トウモロコシの粉で作ったセンベイの事。 「平生」・・・「平」も読むのは困難です。 「相見(江)。見えて。