古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その十九

2013年10月26日 07時30分33秒 | 古文書の初歩

 「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第七頁、一、二、三行目

解読 か多く慥ニ證據も無之 事ニて候へ者甚如何ニ×故

    ×此義ニ付而山ハ得預り

読み (相済み)がたく、慥かに証拠もこれ無き事にて候えば甚だ如何に×故

    ×此の義に付いて、山は得預かり(申さず)

 

解説 「かたく」・・・「た」は「多」と言う漢字を崩した平仮名。「かたく」。前行から続きで、(相済み)がたく。相済み難く。かすかに聞こえただけでは済まない。 次は難しく「慥ニ」・・・確かに。本来なら「慥かなる」と書くべきところです。 次も難解で「證據」・・・「証拠」の旧字体です。 「も無之事ニ候へ者」・・・もこれ無き事に候えば。 「甚」・・・甚だ。はなはだ。たいそう。 「如何ニ」・・・『いかがに』。危惧又は非難の意をあらわす言葉。残念に。どうかと思う。遺憾である。 次の字は消していますが、文章の流れからは、「存じ候」が入る筈です。「如何に存じ候故」。二行目最後の崩し字は「故」です。 「此義ニ付而」・・・この件(山を預かる話)については。 「山ハ得預り」(不申)・・・山はよう預からない。「得」は下に否定の言葉を伴って不可能の意をあらわす副詞。


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