古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第二十二章 扱い済み証文の事 其の一

2014年05月28日 06時44分58秒 | 古文書の初歩

 

「曖済證文之事」第一頁、上の表題と一~二行目

  「曖」と言う文字について。最初からお詫びですが、「口偏に愛」と言う字が、このソフトでは出す事が出来ません。やむなく良く似た「日偏に愛」と言う文字を似ていると言うだけで使用しています。御寛容下さい。表題部冒頭に書いている文字は、口偏に愛と書いて、「扱う『あつかう』」或いは「おくび」と読む文字のつもりで使用しています。 二字目は「済」です。「曖済證文之事」で、「扱い済み証文の事」と読み、意味は、処理済みの証文という意味です。 「證文」・・・『しょうもん』も難解です。

この文書は、「古文書の初歩の学習」にはふさわしく無い、難しい古文書の仲間に入りますが、前章の「苫草場紛争」と関係があるので、続けて取り上げました。じっくりと御取組下さい。

解読     曖済證文之事

      一、田并上下苫草引場所并氏神棟札等之

      儀、及双論御願申上候ニ付、下調 原徳左衛門殿

読み     扱い済み証文のこと

      一つ、田並上下苫草引き場所並びに氏神棟札等の

       儀双論に及び御願い申し上げ候に付き下調べ原徳左衛門殿

解説 「曖済証文之事」・・・取り扱い済み、処理済み証文の件。 「一」・・・一つと読む。いわゆるひとつ書きの文書です。 「田并」・・・田並。 「上下」・・・『かみしも』上村と下村の事。 「苫草引場所」・・・「苫」は「古」に見えますが、「苫草」です。 「引場所」・・・苫草を引き抜くと言う事は無理な様に思います。「引く」は「苅る」と言う意味で使っているものと解釈します。「場」と言う文字も難しい。 「并」・・・並びに。 二行目始めは「儀」。 「及双論」・・・下から返って「争論に及び」。「双」は当て字です。 「下調」・・・串本町史では「御調」と読んでいますが、「御」には見えないし、一行目の「上下」の「下」と同じに見えますので、「下調べ」と読みました。 次の人名の「原徳左衛門殿」も難解。「左」の書き方と「殿」の崩しを覚える。    


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