古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その十五

2013年10月22日 07時19分22秒 | 古文書の初歩

 

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第五頁、七、八、九行目

解読 之貫衆もいつそふ焼拂 不申哉と言し人も有之

    ×候得者、一ノ谷×山之義ハ

読み (一の谷)の貫衆もいっそう焼き払い 申さずやと言いし人もこれ有り

     候えば、一の谷山の義は

 

解説 「貫衆」・・・三頁に出ました。町史では「観衆」(見物人)の当て字ではないかと解釈していますが、辞書には「貫衆」(鬼ワラビ)と出ています。火事見物の観衆を焼き払うのか、そこに生えているオニワラビを焼き払うのか、大変な違いですが、有田上村の怒り様が大きいので、観衆の事かも知れません。「衆」の崩し方にも注意。 「いつそふ」・・・平仮名の「つ」は、元の漢字が「川」です。「いっそう」は旧仮名遣いではこの様に書きます。思い切って。ひと思いに。 「焼拂不申哉と」・・・焼き払い申さずやと」。焼いてしまおうじゃないかと。 「言し人」・・・言いし人。言った人。 「有之」・・・良く出る慣用句で、「これ有り」。「これ」には意味は有りません。語調を調える言葉。 「×」は墨で消したところ。同じ行に書き間違って消した字が二箇所有ります。 「候得者」・・・『そうらえば』ここの三文字も難解。 「一ノ谷山之義ハ」・・・一の谷山は。


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