ミドル級12回戦
23歳のメキシカンヒーロー、サウル・カネロ・アルバレス選手(Saul Alvarez)がキューバ出身の技巧派実力者エリスランディ・ララ選手(Erislandy Lara)と対決したスーパーウェルター級注目の一戦は米国ネバダ州ラスベガスで行われ、クロスファイトの末にカネロ選手が際どいスプリットの判定で勝利して生き残った一戦でした。(体格比較)
じわりじわりとプレッシャーをかけながら、力のこもった左フック、右ストレートのボディブローでララ選手に迫るカネロ・アルバレス選手。ララ選手も右ジャブ、長い左ストレートを伸ばしながら動くのですが、カネロ選手の強いボディブローでのプレッシャーにおされてしまって及び腰気味。プレスをかわすために動こうとの意識も強まってしまって攻撃の踏み込みを欠き、ストレート攻撃の有効性を大きく損ねてしまっていた試合前半戦に見えました。
しかし5回にカネロ選手の攻めがやや雑になったこのラウンド、ララ選手が正確な左ストレートや右フックをカウンターで再三決めて劣勢の流れを覆します。ワンツーや逆ワンツー、そして右フックを正確にヒットし、そして動くララ選手のボクシングに次第に翻弄される場面が増えていったように見えた中盤以降のカネロ選手の戦い。
ボディに的を絞った攻めで効果的に戦いカネロ選手がポイントをキープしたラウンドを作るものの、それを徹底できず再びララのボクシングを許す、といった流れで、ポイント的にも非常にクロスしたまま試合終了のゴングを効いた接戦でした。
Canelo-Lara: CompuBox Breakdown of Punch Stats
公式のスコアは115-113でカネロとララに1人ずつ、残る1人が117-111カネロという2-1カネロ。シロート採点114-114。
4回や7回なんかだけを見ると、一気に決めきれるとも思えるほどのカネロ選手の優勢なのですが、そのペースを続けることができずにララに持ち直されてしまう、という流れがちょっと歯がゆくも感じれました。
ララは相変わらずの当てる技術の高さを発揮し、自らのやれることは全部披露した見事な戦いぶりでした。その結果敗北となってしまったのは非常に無念なことでしょう。が、この日のこの結果というのは妥当なものだった、と個人的には感じられた試合内容でした。
アルバレス選手は44勝(31KO)1敗1分。ララ選手は19勝(12KO)2敗2分。
Canelo Alvarez vs. Erislandy Lara Results: Winner, Scorecard and Analysis(Brian Mazique/Bleacher Report):116-114ララ
Canelo vs Lara results: Canelo Alvarez wins split decision in Vegas(Scott Christ/Bad Left Hook):115-113ララ
Canelo Alvarez beats Erislandy Lara in split decision(Kevin Iole/Yahoo Sprots):115-113ララ
Canelo Alvarez SD 12 Erislandy Lara live round-by-round updates(Lem Satterfield/RINGTV.COM):115-113ララ
Round by round: Canelo Alvarez beats Erislandy Lara(Bob Velin/USA TODAY):115-113ララ
In contentious style clash, Alvarez nips Lara by split decision(Lyle Fitzsimmons/CBSSports):115-113ララ
Steve Farhood(Showtime):115-113ララ
Canelo Alvarez defeats Erislandy Lara by a split decision(Michael Rosenthal/RingTV):114-114
CANELO ALVAREZ WINS NARROW SPLIT DECISION OVER ERISLANDY LARA(Ben Thompson/FIGHT HYPE):114-114
Alvarez wins split decision over Lara(TIM DAHLBERG/Associated Press):114-114
Canelo Alvarez earns split decision victory against Erislandy Lara(Chris Mannix/SI.com):114-114
BoxingScene.com:114-114
Canelo Alvarez earns split decision(Dan Rafael/ESPN):116-112カネロ
Live: Saul 'Canelo' Alvarez defeats Erislandy Lara by split decision(Lance Pugmire/Los Angeles Times):116-112カネロ
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まぁこれで評価を落としたり、干されたりは無いと思うのでまたビッグマッチ実現欲しいです。
カネロは攻めが単調で、メイウェザー戦からあまり学んでいないようにも見えました。個人的には評価が下がった試合内容です。何より、足のスピード、追い足がないことに少し驚きました。
ただ、パンチの重さ、タフさはすばらしいです。スピードタイプのテクニシャンとの試合が多いので、次はゴロフキンなどのパンチャーとの試合が見てみたいです。
勝敗はどっちに転んでもおかしくない試合だったと思います。
＞ビーフィータさん
私としてはボディ攻めが有効なのに何故もっとそれを徹底しないのだろう、と不思議にも感じた試合でした。
ララのカウンターを地味に嫌なタイミングで、さらに結構強く入る場面もあったのでできなかった、
ということなのかもしれませんが。
＞geppeiさん
ララはアングロとやった時のイメージが個人的には強く、カネロが強引に出れば耐え切れないだろう、結構一方的なペースの末に後半でカネロがストップする
と試合前は予想していたので、ここまで接戦になったのは意外でした。
カネロの試合後のインタビューは頂けませんでした。同じ事をメイに対しては言わなかった癖に弱い立場の人間(人気が無いという意味)に対してだけ強気な発言はどうかと思います。ララのスタイルに文句言う前に自分の追い足の無さを反省すべきです。そんなに真っ向勝負がなさりたいならミドルに上げてゴロフキンとやって貰いたいですね。カネロにその度胸が有るかは別ですが(笑)
あちこちの戦評を読むと、カネロはボディをもっと打てば良かったのに、との声も聞かれますが、ララは実は上を増やされた方が嫌だったんじゃないですかね。
アングロ戦のダウンも両方、顔面ですし、今回のカットもアッパーの直撃によるもので、出血をかなり気にしていました。
つまりカネロのボディ偏重がガードによる対処を容易にしていたという印象で、コンビネーションに上下の多彩さがあればララは防戦一方になっていたでしょう。
ララとしてはもっと左を多用したかったんでしょうが、カネロのプレッシャーが予想よりキツかったのが誤算だったか。
何れにしても接戦でしたし、ララの評価を落とすようなものではなかったですから、次に期待したいですね。
カネロの試合後のインタビューは、やはり自分でも採点では不利だったとどこかで自覚していてその裏返しの強気、ララ批判みたいな感じに私には見えました。
減量がキツイみたいですが、今後はどうするんですかね。個人的には対ゴロフキンよりもコットとの試合を見たいです。
＞リゴンドーさん
ボディにしろ何にしろ、強引にプレスを強めれば
と感じたとは上に書いた通りですが、それができなかった、ララがさせなかった
ということになるんでしょうかね。ララがカネロのプレッシャーに苦慮していた、というのは私も感じました。
コット有利と予想。
コットのこの前が非常に良かったですからね。実現するならばなるべく早い時期にみたいです。
来年勝者とメイのラスファイトでどうですか？^ ^